大リーグ機構(MLB)と全30球団が、コロナ禍による損失補償の支払いを拒否している複数の大手保険社を相手に集団訴訟を起こしたと、AP通信が4日伝えた。無観客開催で入場券、売店などの収益が得られず、数十億ドル(約数千億円)の損失をかぶったとし、全危険担保の契約により支払われるべきとしている。

コロナ禍が球界に与えた影響は甚大で、総年俸が昨季メジャー最高額だったカブスは1億4000万ドル(約147億円)の損失が伝えられている。ワクチンの早期承認が見込まれるが、米国では感染拡大が収まらず、球界関係者の中には来年4月1日の開幕が予定通り行えるか懸念する声も出ているという。先が見通せない状況の中、今オフは例年より多い290人以上の選手がFAとなり、FA市場も停滞中。所属先を探す選手の多くが苦戦を強いられている。

記事によると、米国ではコロナ禍による損失補償を求める保険会社への訴訟が1400件以上起こっているという。MLBは「損失はすべて補償されると自信を持っている」と声明を出したが勝訴は厳しいとの見方もある。