パドレスのダルビッシュ有投手(34)が20日(日本時間21日)、実戦形式の練習に登板。4回2/3、打者18人に対して64球を投げて2安打無失点1四球8奪三振と、快調な仕上がりを披露した。

マイナー選手が相手とはいえ、4連続を含む8奪三振。パワーカーブでバットをピクリとも動かせない見逃し三振を奪った際には、後方で見守っていたロスチャイルド投手コーチが、思わず「ハハハッ」と、感嘆の笑い声を上げるほどだった。その一方で、登板前のブルペン投球時から、打者やカウントを想定しながらスタンバイ。緊張感を保つことが難しい状況でも、本番と同じルーティンでマウンドへ向かった。

ダルビッシュにとっても、納得できる内容だった。「スタミナもあって、最後まですごく元気に投げられましたし、まったく問題ないです」。この日は、前回からの登板間に試していた、これまで「投げてこなかった」という縦気味カッターの“アレンジバージョン”を実戦テスト。カウントを整えたり、空振りを奪ったりと、また新たな武器が加わった。「今のところ、疲れをめちゃめちゃ感じることもない。全体的にはすごくいいと思います」。 依然として未発表ながら、4月1日の開幕戦での先発はほぼ確実。ダルビッシュ自身、意欲を隠そうとはしない。「まだ正式には決まってないですけど、そうなれるように頑張ります。あと何年野球ができるか分からないし、あと何球投げられるかも分からない。もしかしたらラストチャンスになるかもしれないし」。次回の最終調整が必要ないほど、メジャー10年目の準備は整った。