1発で1軍残留を決めた! 楽天の新外国人ゼラス・ウィーラー内野手(28=ヤンキース)が来日初アーチとなるソロ本塁打を放った。キャンプから状態が上向かず、この日の結果次第では2軍降格の可能性が濃厚だった。追い込まれた状況の中で結果を残し、1軍同行をつかみ取った。「ポテトヘッド」の愛称を持つ陽気な男が、日ごとに存在感を増している。
走る速度を上げたのは、ベースを回った後だった。楽天ウィーラーは本塁を踏み、祝福に出迎えるナインを見ると満面の笑みでギアを上げた。無邪気な子どものように、ハイタッチの嵐をあっという間に駆け抜けた。「普段の取り組みが実を結んでホームランになった。仲間が祝福してくれるのがうれしい」と来日1号に表情は緩みっ放しだった。
完璧な当たりだった。2回無死走者なし。巨人マイコラスの失投を見逃さなかった。フルカウントからの6球目。内角高め143キロの直球を振り抜いた。打球は追い風に乗り、左中間のフェンスを越えた。「風もいい感じに吹いて、いいスイングができた」と会心の一振りを振り返った。
実は崖っぷちの1日だった。紅白戦や練習試合を含め、8試合で21打数3安打と不調を極めた。首脳陣も心配し、練習量が増える2軍を検討。今日23日に移動する宮崎から、降格の予定だった。しかし目の覚めるような1発に、大久保監督は「ヘッドから(降格を)伝えてもらったのが効いたんじゃない? 昨日と2試合で結果を残したので残す。やっぱり外国人も競争だね」と、強めの“ハッパ”が残留に結びついた。
打撃では徐々にだが、存在はチームに欠かせない。久米島キャンプ初日の持久走のシャトルラン。他の選手が100本近く走るところをウィーラーは30本で脱落した。大久保監督から「ニューレコード(新記録)」と言われると、「イェー!」と大喜びした。恒例の朝の声出しでは日本語が分からないのに常に爆笑。日本語は勉強中だが「完璧になってから話したい」とシャイな一面もかわいらしい。よく似ているおもちゃからつけられた愛称「ポテトヘッド」のように、皆から愛されている。
過去2年はジョーンズやマギーら大物外国人が名を連ねた打線。今年はおちゃめな男がけん引するかもしれない。【島根純】
◆ゼラス・ウィーラー 1987年1月16日生まれ、アメリカ・アラバマ州出身。07年ドラフトでブルワーズに指名され、契約。12年にオリオールズ、14年にヤンキースへ移籍。メジャー通算29試合11安打2本塁打。178センチ、100キロ。好きな日本食は「米と牛肉」。右投げ右打ち。推定年俸5000万円、背番号40。




