又吉、またぎよし。中日のセットアッパー又吉克樹投手(24)が今季初のイニングまたぎ登板を試した。7回2死一塁で登板し、8回も続投。レギュラーシーズンを想定したテスト登板で、1回2三振とまとめた。オープン戦は打者13人に被安打わずか2本で防御率0・00。今年もブルペンの柱は、勝利への火花をまき散らす。

 ベンチ待機をまたいだ登板も、問題なかった。又吉がまたぎテストを難なくクリア。オープン戦4戦目の登板は、7回2死一塁と走者を背負った場面。左の柳田を簡単に二ゴロに仕留めると、続く8回も「想定はしていることなんで」と、当たり前のようにマウンドへ上がった。シーズンが開幕すれば起こりえる状況を試した。

 2イニング目も冷静だった。途中出場の高田には外角からストライクゾーンに食い込む変化球で見逃し三振。代打松中には141キロ直球で空振り三振を奪った。松田には跳ねた打球を打ち返され、差し出した右手をとっさに引っ込める。「あれをグラブで捕っていればイニングが終わってましたから」。結果的に遊撃内野安打になり、4番手浜田智にバトンを渡した。

 変則右腕の存在感は際立っている。ここまで4試合で防御率0・00。打者13人にこの日の内野安打を含め、2安打しか許していない。まだ2年目でマウンドでは風格すら漂うが「ボール先行なんで内容としては納得はいっていない」と、いつものように反省の言葉を並べた。

 今季も「勝利を呼ぶ男」だ。昨季は福谷に次ぐリーグ2位の67試合に登板して9勝。劣勢の場面でも勝利を呼び寄せる力投で中継ぎながら勝ち星を積み上げた。先日の日本代表-欧州代表でも勝ち星を手にした。もちろん、本人に“盗む”気はないが、友利投手コーチが名付けた愛称「ルパン」は、怪盗ならぬ快投を続けている。

 「収穫はたくさんあるけど、すぐにできるほど器用じゃないので」。日の丸ユニホームの感想をそう話した。球団の顔にさえなりつつある男はどこまでも謙虚だ。守護神岩瀬は左肘の状態が上がらず開幕アウトが濃厚。大黒柱を失うことになったブルペンで、背番号16の存在感は増すばかりだ。【桝井聡】

 ◆中日又吉の投球回 昨季はすべて救援で67試合に登板、81回1/3を投げた。うち23試合で1回1/3以上を投げている。1試合2イニングが最長で、デビュー戦となった3月29日広島戦など13試合。8月22、24日巨人戦と28日DeNA戦では登板3試合連続で2回を抑えるなどフル回転だった。