ひょっとしたら…、あるぞ開幕中堅スタメン江越! 阪神ドラフト3位江越大賀外野手(22=駒大)が、DeNAとのオープン戦に7番中堅で先発し、8戦ぶりのマルチ安打を記録した。中堅レギュラー最有力の大和が「打ち込み日」で10戦ぶりに中堅先発を外れた一戦、ダークホースが泥臭い2安打で開幕先発を猛アピールした。
見てくれは美しくない。泥臭い。そこに価値があり、江越に降り注ぐ鋭い視線たちを納得させる。8回無死、1ボール2ストライク。メジャー266試合登板を誇る左腕岡島の低めフォークに食らいついた。体勢を崩されながらも左足でグッと粘り、痛烈なゴロで三塁線を破った。「変化球に反応できました」。決して浮かれないルーキーを、指揮官は褒めたたえた。
和田監督 今日は完全にローテーションで投げる、去年11勝している投手にどこまでついていくか見たかったんだけど、やはり食らいつく姿勢というかね。いい投手が出てくるとダメだという感じではないよね。
先発井納からは渋く二遊間を破っていた。3回、先頭で内角144キロ直球に詰まらされ、それでもバットで押し込んだ。3戦連続安打で8戦ぶりのマルチ安打。オープン戦打率を3割に乗せ、開幕1軍どころの騒ぎではなくなってきた。
開幕中堅スタメン最有力の大和が「打ち込み日」となり、10試合ぶりにベンチスタート。2月18日ヤクルト戦以来となる中堅先発で千載一遇のチャンスを仕留め、指揮官の言葉から「含み」を引き出した。
和田監督 よほど、大和が故障でもしないことには(江越の開幕スタメンは)ないだろうけど。大和も今日はヒットが出たけど、ここから状態を上げていかないといけないな。
左翼マートン、中堅大和、右翼福留でガチガチだった外野レギュラー争い。ドラフト3位ルーキーが力ずくで割って入ろうとしている。開幕まで練習試合を含めて残り5試合。波乱が巻き起こる可能性はもうゼロではない。シーズンを通しても江越の存在は大きいはず。大和の不振時、ベテラン福留の休養日、交流戦でDHのある攻撃オーダー時起用はもちろん、江越の突き上げによるチーム力アップがVに欠かせない。
中堅守備では右中間への打球に回り込み過ぎ、左翼ではカットマン相手の送球が大きく浮いた。打席でも指揮官から指摘されている「ミートポイントが近くなる」悪い癖が顔を出した。それでも壁を乗り越えようとする「がむしゃら」に周囲は期待をかけたくなる。
江越 (井納相手に)自分の予想以上に真っすぐに差されていた。結果を出せたのは良かったけど、そこは反省材料にしないといけない。フリー打撃の時から、前でとらえる意識を持ってやっているんですが…。
明るい未来がチラつき始めても、守りに入る気配はゼロだ。江越が外野手レギュラー争いを過熱させればさせるほど、虎の足元が固まっていく。【佐井陽介】
▼阪神新人選手による開幕戦先発出場は、伊藤隼太が12年3月30日DeNA戦に7番右翼で出場したのが最後。ドラフト制導入後では、ほかに72年中村勝広、望月充、92年久慈照嘉、01年沖原佳典、04年鳥谷敬がいる。なお、セ・リーグでは昨年、ヤクルトの西浦直亨が開幕戦DeNA戦にスタメン出場。プロ初打席初球本塁打という快挙を達成した。



