強竜が燃え上がった! 中日はオリックス松葉らを打ち込んでオープン戦最多の16安打&10得点で快勝した。毎回の先発全員安打で適時打も5本。調子を取り戻した荒木雅博内野手(37)の激走三塁打で火がつき、森野将彦内野手(36)も3安打と役者もそろい踏み。オリックスの重量打線のお株を奪う猛攻だった。一時は貧打にあえぎ、先の見えなかった打線は陽気に誘われるように花開いた。
背番号2の脚が高速回転していくにつれ、ナゴヤドームのボルテージも上がっていく。3回。右翼線に放った一打。荒木が得意の豪快なヘッドスライディングで三塁ベースをもぎ取った。「足からいったら遅いと思った」。ベテランの、自打球で左脚を痛めながらの激走が、猛打の合図になった。
「これまで何度も言っているようにね。そのまんまですよ」。谷繁兼任監督が攻撃オプションの重要な1つと位置づける「足」が生きた。場内のテンションに押されるように、続く森野が左前に運んで、チャンスを生かした。先制点。これで終わらない。続く4回は松井雅、福田、ルナと適時打3本を連ねて4得点。5回は相手ミスと制球難に乗じて1安打で3得点する効率の良さを見せた。
「みんな本番に向けて調整ができ始めてきた」。冷静な指揮官が少し笑みを見せた。オープン戦を締めるこのナゴヤドーム6連戦は本番を想定した総仕上げの場。前日はオリックスの抑え平野佳から3得点。そして主戦級の松葉からの5得点だから価値がある。
長らく眠っていた荒木は前日から5打数連続ヒットになった。打率を2日間で8分3厘から2割4分1厘まで上げた。5本とも内容は文句なし。さらにこの日は犠打に四球と全4打席で得点に絡んだ。
3番に座った森野は初の3安打で、適時打も2本。昨年のチーム打点王(86打点)が本領発揮だ。4番ルナも2点打。初めて5番に入った平田は3安打。大島&荒木のチャンスメーク役と掃除役ががっちりかみ合った。首脳陣を、そしてファンを安心させた。
前日まで打率2割の森野が打ち明ける。「やっと投手に入っていけるようになった。遅いけどね。今年はポジションに絶対の確約がない。悪ければ外される。危機感を持っている」。ベテランも若手も尻に火がついた状態でキャンプから全力で走ってきた。オリックスのような大砲はいなくても、相手をねじ伏せるだけの技量は十分に備わっている。【柏原誠】



