ヤクルト真中満監督(44)は、守護神バーネットから手渡されたウイニングボールを左ポケットに大事にしまった。延長11回2死一、二塁でミレッジの右中間への2点適時三塁打で勝ち越し。リードを守り切り、初陣を飾った。「格別ですね。こういう試合をとれたのは大きい」とはにかんだ。

 指導が生きていた。21日のロッテとのオープン戦の試合前、「バランスが崩れている。ゆったりとテークバックをとってみたら」とミレッジに助言した。その試合でいきなり2打席連続本塁打。この日も教え子の活躍が勝利につながった。「粘れていた。大きい仕事をした」と満足げだった。

 攻撃的なオーダーも結果を呼び込んだ。「山田と川端の2人で点を取れるのが理想」と昨季まで主に3番だった川端を今季からは2番に起用。1点リードの7回2死から山田が四球で出塁。さらに盗塁で2死二塁となり、川端が中前への適時打を放った。

 直接指導と采配が功を奏し、幸先よくスタートダッシュを切った。それでも真中監督は、既に次の試合に向けて頭を切り替えていた。試合後、バスに乗り込む前、観戦に訪れていた衣笠球団社長にウイニングボールを渡した。「1勝くらいでいらないでしょ」と豪快に言い切った。初勝利の余韻に浸る時間はわずかだったが、2年連続最下位からの脱却に向けては最高の船出となった。【栗田尚樹】