巨人が「いぶし銀の勝ち方」で3連勝を決めた。広島1回戦で1点を追う9回、井端弘和内野手(39)が狙い通りに前進守備の一、二塁間を抜く同点打。延長11回には、1死一塁で途中出場の寺内崇幸内野手(31)が二盗を決め、決勝点を演出した。打てなくても、緻密かつ大胆な野球で勝機をつかむのが強み。延長戦を制し、勝率を5割に戻した。

 ピンポイントで、井端が同点打を仕留めた。1点を追う9回1死三塁。「風もあるし、外野フライを打てる力はない」と強いゴロを打つと決めた。広島内野陣は前進守備を敷いたが、「一、二塁間は狭かったけど変えるつもりはなかった」と積み重ねてきた技術を信じた。カウント1-1からの外角直球を、右足を引きながらしばいた。打球はイメージ通りに間を抜き、右前に転がった。高度なテクニックで生んだ起死回生の同点打に「あっちの方向にしか打てないから」と照れつつも「ホッとしてます」と頬を緩めた。

 ピンポイントで、寺内が決勝点を演出した。延長11回1死一塁で代走に起用されると、いきなり盗塁のサイン。「初球から思い切っていこうと思った」。打者鈴木のバントの構えに、広島守備陣も「犠打で2死二塁」を想定したかもしれない。そんな心の隙を突くには、初球しかなかった。思い切りよくスタートし、頭から二塁へ滑り込んだ。1死二塁の絶好機を作った。

 ここからもうひと仕事、加えた。鈴木の三遊間のゴロで迷わず三塁へ。遊撃手の悪送球を誘い、決勝のホームを踏んだ。「守備位置を確認して、抜けたと思ったので行きました。セーフになると思いました」。ギャンブルではない好走塁に、原監督も「あれだけのスタート。初球にね。技術、走力だけでなく強さを感じます」と勇気もたたえた。

 あわや「スミ1」完封負けの危機から一転、3連勝で勝率を5割にした。原監督は「明日は明日です」と引き締めたが、打てなくてもしぶとく白星を拾えるところに、巨人の底力がある。【浜本卓也】