勝利の六甲おろしが歌えない-。阪神が打線テコ入れも実らず、拙攻のオンパレードでDeNAに競り負けた。開幕12試合目で初めて2番上本博紀内野手(28)を7番に下げ、俊介外野手(27)を2番中堅に据える打開策を敢行。2人にチャンスが巡ったが、凡退する皮肉な結末になった。DeNAに3タテを食らい、5連敗で借金2。甲子園のシーズン初戦から3連敗は99年以来となった。
打線改造の打開策は、あまりにも皮肉な結末を招いた。8回、1点差に迫り、なおも2死一、三塁。ネクストサークルには不振の上本がスタンバイしていた。この日は7番に降格。まだ代打要員の関本、新井が控える状況だった。それでも和田監督は動かない。不振を極める選手会長に勝負どころを託した。
左腕田中の直球勝負に食らいつく。バットを折られながら何度もファウルで逃げたが実らない。直球に力負けして中飛に倒れた。重い足取りの上本は「細かいことは考えてないです。打てなかったので…」と口数少なく引き揚げた。チームで不動のレギュラーに位置づけるから、場当たり的な采配は振るわない。和田監督も「まだ先は長い。上本の状態も、ああいう場面で1本出れば変わると思う」。5回には鮮やかに中前へ運ぶ。4日巨人戦(東京ドーム)以来、16打席ぶりの安打だった。復調の兆しこそ見せたが、肝心な土壇場で凡退した。
試合前、和田監督はオーダーの変更を決意した。不調の上本の負担を軽減するため打順は下位へ。巧打者俊介を代役2番に立てた。「俊介も状態がいいから出している」と指揮官。1番鳥谷から始まる超攻撃型打線の骨格は崩さない。上本が復調すれば2番に戻す意思表示だろう。だが、勝負のポイントは緊急オーダーの急所ばかり突いてきた。
5回は1死一、三塁で岩崎が打席へ。直前の3回に中飛を放ち、2日ヤクルト戦でも中前打。当たっていたが、ここは犠打のサインだ。二、三塁に走者を進めたが、2死になる。鳥谷が敬遠されて俊介が打席へ。代打を立てずに打たせ、右飛に倒れて先制機を逸した。この局面を和田監督は「昨日の今日やから、そういうこと(鳥谷敬遠)はありえる」と話したが、岩崎は7回に左前打を放つ…。後味の悪さだけが残った。
攻めに徹しない。貧打を解消できず、わずか1得点で5連敗。借金は2に増えた。甲子園開幕から1度も勝てず3連敗。DeNAに3タテを食らったシーズンの優勝はなく、不吉なデータがちらつく。だが、和田監督は前を向く。「チームとして悔しい3連敗だった。でも、選手に悲壮感はいらない。また明日からという気持ち、新たな気持ちでやってほしい」。泥沼にはまりこむ前に、必死に白星を奪いに行く。【酒井俊作】
▼阪神が甲子園でのシーズン初戦から3連敗したのは、99年4月11日中日戦●、13~15日横浜戦●●●以来、16年ぶり。甲子園でのシーズン初の同一カード3連戦で3連敗は、95年11~13日広島戦以来、20年ぶり。いずれの年も最下位に終わっている。また、DeNA戦で同一カード3連戦3連敗は、13年7月26~28日(甲子園)以来。阪神がこのカード(前身の大洋戦、横浜戦含む)に3タテを食らった年に、リーグ優勝したことはない。
▼阪神の5連敗は14年9月5日中日戦~11日巨人戦に6連敗して以来。4月までに限ると、06年4月16日広島戦~22日巨人戦に5連敗して以来。阪神はこれで借金2(5勝7敗)。13、14年と最近2シーズン中の最多借金も2で、今季は早くも並んだ。借金が3に増えると、12年閉幕時の借金20(55勝75敗14分け)以来となる。



