律儀やな~サヨナラお返しするなんて。開幕戦のサヨナラ勝ちから一気の3連勝を決めた中日に、9回サヨナラで終わりナゴヤ。8回裏を抑えた3勝右腕、松田遼馬(21)を続投させたが、勝利を呼ぶ男が1死一、二塁からナニータに痛打された。和田豊監督(52)は松田続投に「ベンチの責任」。どうせお返しするなら、借金3をはよ返さな。

 無情の打球が左中間を抜けていった。転々とする白球を見届けると、松田はうつむきながらマウンドを降りた。開幕戦とは逆に、今度は相手の歓喜を猛虎が見つめることになった。

 最後は和田監督の、ベンチの決断だった。同点で迎えた9回裏、2イニング目となる松田を続投させた。1死一、二塁となって打席には左の代打ナニータ。ブルペンには島本、高宮の両左腕もいた。数ある選択肢の中から今季初めてイニングをまたいだ松田に託すことを選んだ。だが、結果は速球をはじき返されてのサヨナラ負けだった。

 和田監督 勝負にいかせたわけだから。これは、もう、ベンチの責任。(左の島本、高宮もいたが)ごちゃごちゃしたことは、もう…。(松田を)いかせたわけだから、これは、もう、ベンチの責任。

 指揮官は厳しい表情で「ベンチの責任」というフレーズを2度繰り返した。セットアッパーを担う松田はここまで5試合、4回2/3を投げて無失点。ハーラートップの3勝を挙げていた。安定感とともに、黒星が先行するチームにあってラッキーボーイ的な存在でもあった。8回裏は1四球こそ出したものの平凡な右飛と2奪三振で上位打線を抑えていた。そんな右腕を続投させたことについて、細かい説明はしなかった。

 中西投手コーチ あそこは抑えないと。勝ち(パターン)の投手だから。当然そのままだと思っていた。

 故障離脱の安藤が2軍調整中、福原も故障から1軍復帰したばかりと、松田頼みの苦しい台所事情が浮き彫りになった場面でもあるが、ベンチは続投の決断に後悔は見せなかった。

 開幕2戦目以来2度目の対戦となる左腕バルデスから2点は奪ったが、決定打は放てなかった。

 和田監督 初対戦じゃないから、しっかりタイミングをとらないといけないところだったけど、ちょっと構え遅れしていたね。

 連敗を止めた12日広島戦に続いて3番に鳥谷を置いた指揮官も、期待するような破壊力が出ない打線に渋い表情だった。そして今季初黒星を喫したセットアッパーはうつむきながら口を開いた。

 松田 2イニング目はこのまま(同点)だったら、いくとは思っていました。

 連敗を6で止めたと思ったのもつかの間、サヨナラ返しを食らって再び借金3。乗り切れない猛虎を象徴するような敗戦だった。【鈴木忠平】

 ◆阪神開幕戦のサヨナラ勝ち 3月27日、中日戦(京セラドーム大阪)で阪神は3点ビハインドの8回に同点に追いつき、延長戦に。10回裏2死三塁でマートンが左前打を放ち、1941年(昭16)以来74年ぶりの開幕戦サヨナラ勝利を挙げた。松田は、呉昇桓の後を受け10回表に5番手として登板。1死から四球を与えたが無失点に抑え、勝利投手となった。