新加入の巨人ホアン・フランシスコ内野手(27=前レイズ)が、1軍デビュー戦で決勝打を放った。0-0で迎えた7回無死二塁、阪神藤浪のカットボールをフルスイング。一塁ゴメスのグラブをはじき、初安打初打点で記念の一戦を飾った。188センチ、111キロの規格外ボディーから放たれたメジャー通算48発の長打力が最大の魅力。まだまだ謎の多き新大砲が、未知なる力を結果で証明した。
得意のダンスはでなくても、心の中は「フランシスコ・ダンス」でノリノリだった。7回、先制打を放ったフランシスコの目に広がったのは、笑顔でオレンジのタオルを振り回すファンの姿だった。「素直にうれしい気持ちでいっぱいです。超満員でびっくりしたけど、力強い応援も印象的で盛り上がるよ」。トランペットの音色、メガホンの音、日本特有の全てを自らのBGMに変えた。
試合前から、新大砲の独壇場だった。阪神の選手がウオーミングアップする中、フリー打撃に臨み、44スイングで10本の柵越え。長嶋茂雄終身名誉監督でおなじみの「セコム」の看板下にある、背番号「3」のレリーフに直撃する特大弾を放ち、度肝を抜かせた。「自分のスタイルがある。変えることはないよ」と話したように、厳しく内角を攻められても、フルスイングを貫いた。
スイング以外でも、オンとオフを絶妙に使い分ける自己流を通した。ロッカールームでは爆音でヒップホップを聴き、集中モードに入ったかと思えば、打撃ケージ裏では188センチ、111キロの巨体からは意外すぎるソプラノ声で熱唱。この日の試合前ミーティングでは、原監督から「ちょっとおなかが出ているけど、8月になったらスッとするよ」と言われ、「ダンスでやせるよ」と謎のくねくねダンスで和ませた。
適応力の高さも、ピカイチだった。2軍ではダンスや風呂場での鼻歌などで若手に溶け込み、日本流の礼儀や文化を勉強。積極的に和食も食べ、国際スカウトのセギノール氏とはすしを堪能した。元メジャーリーガーの27歳。実績はあるが、新たな勝負として、巨人でプレーすると決めた。「とにかく、チームの勝利に貢献したいんだ」。胸躍るシーズンの第1歩を最高の形で刻んだ。【久保賢吾】
◆ホアン・フランシスコ 1987年6月24日、ドミニカ共和国生まれ。04年にレッズ入りし09年にメジャー初昇格。ブレーブス、ブルワーズを経て昨年4月ブルージェイズに移籍。昨季106試合で打率2割2分、16本塁打、43打点。今オフにはレイズとマイナー契約を結んだ。メジャー通算404試合で打率2割3分6厘、48本塁打、152打点。契約金を含めた推定年俸1億4000万円。188センチ、111キロ。右投げ左打ち。



