ロッテ涌井秀章投手(28)はウイニングボールを惜しげもなく田村にあげた。21歳の誕生日プレゼント。自分を7回2失点と好リードし、同点適時打を打ってくれたお礼だった。「もう打つことないだろうから」。辛口の冗談を添えて贈った。

 マリンに吹いた7メートルの風を味方につけた。「風で直球が伸びて来た。低めに来る時、すごく良かった」と田村をうならせた。ホップするようにストライクゾーンに吸い込まれた。8個の三振のうち6個が、直球での見逃し三振だった。

 試合前には田村から「7回を無失点でいって、その間に僕のセカンドゴロの間に1点取って勝ちます」と言われていた。シミュレーションとは違ったが、リーグトップに並ぶ5勝目を挙げた。「まだまだ5月。終わった時に1番になっていればいい」。表情はクールでも言葉は熱かった。