昨夜の悪夢は終わっていなかった。工藤ホークスは2人の男に再びやられた。

 2回だ。先制を許し、なおも1死満塁。ジェイソン・スタンリッジ投手(36)が3ボールからの甘い直球を西川に狙われた。前日サヨナラ打と乗っている男に、来日初となる満塁被弾。「全ては2つの四球に尽きる。いいところに投げようとし過ぎた。チームに申し訳ない」。5失点が重くのしかかり、7回には左腕飯田が中田にダメ押し3ランを右翼ポール際に放り込まれた。こちらも前日同点2ランを浴びた相手の主砲。2度のビッグイニングを許し、5月初の連敗を喫した。

 試合前練習が始まると、工藤公康監督(52)はセンターに向かって歩いた。バックスクリーンの下に投手陣を集めた。「考えることも必要だ。配球、相手の打者のことをもっと考えて。意図があって、そこに投げる。もっと打者のことを考えて投げよう」。頭も使わないと、野球は勝てない。この日も含め、ここ5試合で5失点以上は4度ある。指揮官は号令をかけて、投手陣の成長を求めた。

 しかし助言はすぐに結果に表れない。工藤監督は満塁被弾の1球にフォーカスした。「打ってこないだろうという気持ちで投げるのではなく、ファウルを取る気持ちで投げないと。塁が詰まっている時は、相手に作戦させないように、早く追い込むことが大事。他の投手も見ていて、分かってくれたと思う。いい反省材料になった」。勉強代にしては高くついたが、選手の向上を期待した。

 首位攻防戦は2連敗で、日本ハムに2ゲーム差をつけられた。「暗い顔するなよ。3倍にして返そう」。交流戦まで残り1試合。3倍返しを誓い、帰りのバスに乗り込んだ。【田口真一郎】