目深にかぶった帽子から広島大瀬良大地投手(23)の鋭い眼光がのぞく。打者をにらみつけ、ゆっくりと振りかぶった。背番号14が7回からマウンドに立った。プロ初の中継ぎ登板は2回5安打2失点(自責1)。味方の拙守もあって同点に追いつかれたものの、投じた49球からは気迫があふれ出ていた。
「言葉が出てこないですね。先発とは状況が違うので、いつもと違う感じがありました。(野村)祐輔さんの勝ちを消してしまって申し訳ないです」
登板に合わせて何度も肩を作った。ヒース、中崎とともにベンチからブルペンに最終組で入った。キャッチボールから始め、立ち投げ、本格的な投球練習…。7回の攻撃が長引き、ブルペン待機の時間も長かった。それでも大歓声に包まれてブルペンを飛び出ると、掘れたマウンドを丁寧にならして投球練習を始めた。落ち着いていた。
鋭く腕を振り最速は150キロをマーク。7回。不運な内野安打2本で1死一、二塁のピンチを背負うも、3番浅村を二飛、4番中村を右飛に打ち取った。頼ったのは「一番の武器」と語る直球だった。強打者2人を差し込んだ。8回は守備固めで入った左翼鈴木誠が飛球をグラブに当てながら落球する適時二塁打や捕逸も重なり同点に追いつかれたが、勝ち越しは気持ちで阻止した。
9回は中田廉投手(24)が登板し、ピンチを背負うも無失点で切り抜けた。「大地が気迫を見せてくれたので、僕たちリリーフは感じるものがありました。勝てて良かったです」。延長10回に4点を奪い勝ちを収めた。大瀬良の気持ちが与えた影響は大きかった。



