主砲に待望の一発が飛び出した。日本ハム中田翔内野手(26)が、キング弾で大谷を援護した。ロッテ戦で1点先制直後の3回2死二、三塁、13日以来7試合ぶりとなる21号3ランを放った。本塁打争いを続ける西武中村に前日23日に初めて抜かれたが、すぐさま並んだ。14安打7得点と久しぶりに勢いづいた打線で、4番が主役を張った。
夕焼けが映える旭川の澄んだ青空を、主砲のアーチがきれいに舞った。中田のモヤモヤが吹っ切れた。3回2死二、三塁。詰まりながらも左翼席中段へ運んだ。7試合、30打席ぶりの1発。「詰まってはいたんですけど(旭川スタルヒンは)球場が狭いんでね」。久々の快音に中田節もさく裂。ヒーローインタビューでも地元ファンを沸かせた。
試合前から黙々と雪辱に燃えていた。打撃練習を行う前、おもむろに一塁手用ミットを持ってグラウンドへ。遊撃の位置で内野ノックを受けた。前夜は自らの失策がきっかけで、相手に先制点を与えていた。普段はコンディション維持を優先させるため行わない守備練習を敢行した。
必死だった。「最近、全く打てていなかった」。5連敗中は20打数2安打と大不振。フリー打撃前には柏原打撃コーチとロングティー。入念にスイング時の「タメ」を意識しながら、バットを振り込んだ。「いろいろ流れを変えたかった」。試合前の、なりふり構わない調整が実を結んだ。
たまった鬱憤(うっぷん)を晴らした。本塁打キング争いでも大阪桐蔭の先輩、西武中村と並んで再びトップタイ。チームも長いトンネルから抜けた。「みんな気持ちが1つになっていた。また、ここから気持ちを切り替えていける」。エースが投げ、4番が打っての会心勝利。「(4番は)僕しかいないんでね」。中田のアーチには、チームの苦境を推進力に変えるパワーがある。【木下大輔】



