連敗にも、止めどない悲壮感がないのはなぜだろう。阪神は好調福留孝介外野手(38)を休養日として先発から外す大胆オーダーでも、ヤクルトと渡り合った。マートン、梅野、ゴメスと3本塁打で4得点。福留は9回の代打で一打同点の好機をつくる二塁打だ。6月進撃の主役がパワーを蓄えれば、きっと、7月戦線も不安なしだ!
あと1本が出なかった。劣勢に立たされながらも、首位阪神がヤクルトを窮地まで追い詰めた。2点を追う9回1死後、新井が遊撃失策で出塁すると、和田豊監督(52)は攻めのタクトを振る。代打福留-。休養日を与えてベンチに温存していた好調のベテランを迷わず起用した。剛腕バーネットとの対決。2球目だった。真ん中のシュート系を豪快に振り抜くと、大飛球で左中間を真っ二つに割った。
敗色濃厚から、ひと振りで一打同点の展開に持ち込む。38歳の充実ぶりは際立っていた。1死二、三塁。だが、刀折れ、矢尽きた。坂が投ゴロに倒れて2死になった。代打荒木も詰まらされる右飛に倒れてゲームセット。勝てなかった。でも、敵を瀬戸際まで追いやった。和田監督は「明日につなげなきゃいけない。この球場は分からん。最後の最後まで粘って、今日もあと1本まで行って、あきらめない姿勢が出ていた。3つやられないように、明日しっかりやる」と語気を強めた。
6月は月間11勝7敗1分けでリーグトップの勝率6割1分1厘だった。その立役者が福留だ。同27日DeNA戦で2打席連続本塁打を放ち、翌28日も右翼にアーチをかけていた。月間打率3割1分1厘で6本塁打だった。7月初戦はベンチスタート。主砲を欠いても、ナインは奮闘する。マートン&ゴメスに加えて、梅野が1発攻勢を演じ、1試合3本塁打と豪快に戦う。「負けてなお強し」を周囲に印象づけた。
バスへの引き揚げ際に福留は言う。「気を使ってもらって。体のこともあるので。場面場面で自分のやれることをやっていくだけなので。その分、明日しっかり切り替えてやっていきたい」。英気を養って今日2日から再びスタメンに戻る。勝ちきる陣容に仕上がってきた。開幕直後から長打力不足が懸念されたが、いまや空中戦に挑める状態まで上がってきている。首位に立つが、5位広島まで2・5ゲーム差にひしめく大混戦。最後まで白星を狙いに行くファイティングポーズをとり続け、デッドヒートから抜け出す態勢を整える。【酒井俊作】
▼阪神福留が先発メンバーから外れたのは今季4試合目。4月4日巨人戦(東京ドーム)と5月16日中日戦(ナゴヤドーム)は欠場、4月15日中日戦(ナゴヤドーム)は9回に代打で四球出塁。この日は9回に代打で左中間二塁打を放った。14年は先発出場しなかった試合が55試合。欠場40試合、代打出場が9度あり、1安打、3四球、5打席は凡退。守りからの途中出場が6だった。



