「言葉の力」で束ねられた巨人が、ついに進撃を開始した。4回に今季初の3連続適時打など、打者9人の総攻撃で4得点。5回には阿部慎之助内野手(36)が2試合連続本塁打を放ち、6月19日中日戦以来の2ケタ安打で約1カ月ぶりの3連勝を決めた。4日中日戦(ナゴヤドーム)前のミーティングで、原辰徳監督(56)がマイナス思考になる人間性を受け止めたうえで取り払うように訓示し、以後1分け3連勝。リーグ最速40勝に到達し、首位をキープした。
ベンチの奥で戦況を見守っていた原監督が、グッと身を乗り出した。4回1死満塁。杉内が初球を右前打とすると、「よーし!」と声を上げた。威勢のいい号令で、巨人ナインが進撃を開始した。
1番立岡が積極的に初球を打ち抜いてヤクルト成瀬をKOすると、2番井端がフルカウントまで粘って今季初の3者連続適時打。各自が持ち味を発揮した総攻撃に、原監督は「今日に関しては否定はしません」とうれしそうにうなずいた。
自信を失いかけていた巨人ナインをよみがえらせたのは、言葉の力だった。借金2の3位で乗り込んだ4日の中日戦。ナゴヤドームでの試合前ミーティングで、原監督は全選手を前にすっと立った。貧打解消を合言葉に、もがき、苦しみながらも、鍛錬に打ち込んできた選手たちの目を、ジッと見回して語りかけた。
原監督 人間というのは物事を悪い方に考えてしまいがちだけど、そういう時は「なし! なし!」と口に出して、取り払えばいいんだ。
両肩にまとわりついている“マイナス”の気を、「なし! なし!」と言いながら手でサッと払うと、それぞれに息を吹きかけて、体から消し去るイメージだ。原監督が自ら示した、前向きになる「おまじない」。マイナスを受け入れたうえで取り払い、どんな時でもできることを前向きにやっていこうというメッセージを、選手たちは理解し、うなずいた。
束になった巨人は強い。それ以降は1分け後に3連勝。大人気アニメ「進撃の巨人」とコラボしたヤクルト2連戦では、亀井を4番に据えた新打線が機能しはじめた。攻撃力がよみがえりつつある現状に、原監督は「いい流れの中でプレーできている。1つの階段を上ったならば…」と手応えを口にしたうえで「その階段を、もう1段! 上っていく。したがって明日も練習します」と、トーンを上げた。休養日予定だった今日9日も、全員で練習する。快進撃を確かなものにすべく、巨人は歩みを止めない。【浜本卓也】



