日本ハムが今季4度目の同一カード3連勝を飾り、貯金を最多の「15」に増やした。西武13回戦は、11安打10得点と打線がつながった。左腕の西武菊池が相手だったが、好調の左打者・近藤健介捕手(21)をDHで残し、矢野謙次外野手(34)を札幌ドームで初めて左翼で起用した栗山英樹監督(54)の采配もあたった。球宴前最後のヤマと踏んだ西武、ソフトバンクとの5試合をこれ以上ない形で滑り出した。明日14日からは首位攻防2連戦(帯広)に臨む。

 超満員のスタンドに、勝利を祝う無数の風船が舞い上がった。上位を争う西武に3連勝。2桁得点の完封勝利で締めた。栗山監督は「誰がじゃなくみんなが、この試合は大事なんだと戦った。出た選手が頑張った」。明日14日からのソフトバンクとの決戦を前に、ムードは最高潮に達した。

 緑が色濃く茂る栗山町を出発し、札幌ドームに入る。関係者口から1フロア下りると、そこに監督室がある。デスクが置かれ、ホワイトボードが立つ。いつもと同じ風景。だが頭の中は違った。まだスタメンが決まっていなかった。「最後まで悩んだ」。6月28日の対戦では8回3安打と抑え込まれている西武菊池が相手。攻略のため、何度もシミュレーションを繰り返し、迷い、悩んだ。

 「左対左」になるが、打撃好調の近藤をDHで起用。矢野を札幌ドームでは初めて、左翼の守備に就かせた。先制した2回。近藤が左前打で出塁すると、続く矢野が左翼の頭上を破る二塁打で好機を拡大し、一挙3得点につながった。

 矢野はさらに、大記録の偉業がかすむ好守備も見せた。4回、秋山が左翼線へ30試合連続となる安打を放ったが、素早く処理し、二塁へワンバウンドのストライク返球。移籍後初補殺でピンチの芽をつみ取った。「練習でグラウンドにも慣れるよう、試合のためにやっているので」。9日ぶりの出場でも、怠らない努力が実を結んだ。

 5回2死一、二塁の好機には、菊池対策としてオーダーに組み込んだ石川慎の直前で右の岡本洋に投手交代されたが、栗山監督はそのまま打席に送った。結果は左前適時打。「なんで行かせたかは言えないけど、イメージ通り。慎吾がよく打った」。頭脳をフル回転させた采配に、選手たちが応えた。

 客席には、応援ボードを使った「GO!FIGHTERS」の人文字が浮かび上がった。「思い出すなぁ」。指揮官の脳裏によみがえったのは、12年優勝目前のワンシーン。「2012 CHAMPION」、「DREAMS COME TRUE」の人文字でファンがチームに最後の後押しをしてくれた。

 歓喜を、再び。悲願達成へ、負けられないソフトバンク戦。「強いホークスに、この時期我々が何をできるのか。自分たちで勝っていくしかない」。さぁ、前半戦一番の大勝負だ。【本間翼】

 ▼日本ハムが西武13回戦に勝ち、貯金を今季最多の「15」とした。貯金15は、リーグ優勝した12年シーズン最終戦の10月9日以来。この年は貯金を最多17にまで増やし、最終戦でロッテに9-8で勝ち、貯金15でレギュラーシーズンを終えた。北海道へ本拠地を移転した04年以降、貯金15を記録したのは06年(リーグ1位)、07年(同1位)、09年(同1位)、11年(同2位)、12年(同1位)。