26歳の誕生日に先発した巨人高木勇人投手が3回5失点でDeNAにKOされた。1回先頭の梶谷、2番松本に連続の被本塁打。4球で主導権を渡し、修正できないまま降板した。5月24日の中日戦までに6勝を稼いだ原動力である、スライダー軌道の「高木ボール」はじめ、ボールの威力に陰りが見える。約2カ月、勝ち星がないルーキーが後半戦で立て直す。

 制してきたストライクゾーンの中で、木っ端みじんに砕かれた。1回先頭、梶谷への初球。高木勇の代名詞「高木ボール」の曲がりが緩かった。風速5メートルを超える追い風に乗って中堅右へ運ばれた。息つく間もなく、松本への3球目だった。2ボールからまた、軌道が優しいスライダーだった。風に関係なく、もっと深い場所に持っていかれた。4球の2失点は、大きく打線を組み替えたDeNAを乗せるに十分だった。

 持ち直せなかった。「悔しいです」。2回2死二塁。再度1、2番だった。カーブと直球。タイミングを外せず、押し込めなかった。1点差にしてもらった3回1死二塁は、分の悪い倉本だった。初球。シュート回転の139キロを悠々と右中間に運ばれ最短KOの筋書きはできた。「監督、コーチに使っていただいて。応援もしてもらっているのに。悔しいです」。大切な前半戦の締め、カード頭を託された26歳。「悔しい」の反復も当たり前だった。

 ストライクゾーン9分割を操る制球力。甘くとも痛打されないパワー。両立させていたから白星街道をひた走った。季節が移ろい、じわじわ持ち味が削り取られている。ゆったりした始動から一気に体を切り返し、巨大な力を100%ボールに伝えていた。今はメリハリがやや欠け、均等なリズムになっている。フォームはボールに伝染する。窮地を救ってきた「高木ボール」が象徴的。打者の手元で鋭角に変化していたラインがぼやけ、打ちごろのコースに吸い込まれている。

 現状打破へ、技術アップを求めたのが原監督らしかった。「プロの世界、何もかも初めて。どう次につなげるか。今日に関してはメカニックが悪かった。制球力。真ん中に集まっていた。メカが悪ければ、ああいうボールがいく」と指摘した。5月24日から勝てず、6勝もしている。「次に向け言われたことを修正して」と高木勇。原石を磨き後半戦に臨む。【宮下敬至】