後半戦開幕と同時に、復活の号砲を打ち上げた。広島丸佳浩外野手(26)が1回、先制の12号2ラン。チームは追加点が奪えず逆転負けも、丸が描いた放物線が浮上への一筋の光となった。今季1点差試合は14勝21敗と苦しむ。指揮官から後半戦のキーマンの1人に指名された丸が、広島打線を引っ張っていく。
静まりかえった一塁ベンチ裏に引き揚げてきた丸は表情を一切崩さなかった。「ああいうチャンスでの1本が課題。必要とされた場面で打てるようにならないといけない」。試合後には1回の先制弾のことは頭になかった。中軸として期待された好機での凡退とチームの敗戦が悔しかった。
後半戦を前に、丸は緒方監督からキーマンに指名された。打撃の調子の上がらない前半戦は主に1番で起用されたが、後半戦は3番が基本線。1番田中、2番菊池とともに緒方広島が目指す機動力を体現することが期待される。1回の先制点はまさに理想的な形だった。先頭の田中が二塁打で出塁。続く菊池が厳しい球を流し打ち二ゴロで走者を三塁に進めた。上位打線で相手投手にプレッシャーをかけ、3番の丸が本塁に迎え入れた。カウント2-1から内寄りの真っすぐをたたいた打球は、右翼席へ。「厳しいコースだったが、うまく反応できた」。指揮官の起用に応える一打で試合の流れを引き寄せた。
しかし、同点のまま推移した中盤。5回1死二塁では走者を進めることもできず、試合の流れを引き寄せられなかった。
後半戦黒星発進に、緒方監督は「丸は1打席目にいい形で1本出た。打順は固定せずに使う選手を見ながら打線を考えていきたい。(今日の打順を)1つの打線の組み方としてやっていきたい」と攻撃の形に1つの光明を見た。きょう中日に敗れると最下位に転落してしまう危機。広島攻撃陣の中核を担う丸の復調が、緒方広島の上昇のカギを握っている。【前原淳】



