気合だー! 広島会沢翼捕手(27)が決勝2点三塁打を右中間にぶっ放した。突然の豪雨で54分の中断をはさんだ後の決勝打。汗も、雨もしたたる球宴MVP男の意地の一打だった。1回に3点を奪われる劣勢もコツコツとかえし、最後は逆転。後半戦初白星で最下位転落を免れた。

 歓喜の打球が右中間に飛んでいった。会沢は一塁へ膨らむ悪路の途中で、右拳を突き上げた。打球がフェンスに到達するのを確認すると、二塁ベースを思い切り蹴飛ばした。余裕の三塁打だったが、勢いよく滑り込んだ。塁上で再び右拳を突き上げると、呼応するようにスタンドとベンチも手を上げた。8回1死二、三塁。試合を決める三塁打だった。

 「とりあえず集中して。ヨギ(梵)さんがしっかり送ってくれたので、いい流れで打たせてもらいました。よかったです」

 球宴MVP男は集中力を高めていた。8回。四球と死球で無死一、二塁となると、試合が中断。シートがかぶせられ、雨脚は一気に強くなった。照明を照り返すシートを見ながら、それでも会沢は集中していた。「集中力をとにかく切らさないように。ピッチャーも頑張ってくれていたので、なんとかしたかった」。目つきは鋭さを増していた。

 次第にシートははがされ、グラウンドには土が入れられていった。54分間の中断明けでは、梵が犠打でお膳立て。直球、フォークでファウル2球で追い込まれたが、切らさなかった。3球目の外角スライダーを見極めると、4球目。2球目より厳しいフォークを右中間へ運んだ。中断中にも「配球を考えていた」。会心だった。

 会沢の決勝打で借金を4とし、最下位危機を脱した。緒方監督も「会沢が集中力を切らさずによく打ってくれた。(逆転劇は)前半戦にはない戦いだった」とほめたたえた。試合後には雨も上がりコイ党も傘をささずに帰宅できた。球宴第2戦にMVPを獲得した会沢は後半戦のキーマンだ。じめじめした天候でも、後半戦初白星は気持ちがよかった。【池本泰尚】