広島が巨人から同一カード3連勝を飾り、借金を3まで減らした。東京ドームでは05年以来10年ぶりの3連倒。緒方孝市監督(46)は同点の8回、勝ち越した後の9回でたたみ掛け、代打4人、代走2人を一気につぎ込んだ。ベンチ入りでは捕手白浜以外の野手を使い切った。勝負どころと見るや、鬼の攻めで巨人を圧倒した。

 すぐに動いた。緒方監督が球審に交代を告げる。8回、先頭会沢が二塁打を放つと、代走赤松を送り、代打には木村昇。荒ぶるマシソンに代打バントでプレッシャーをかけにいった。すると三塁側に見事に転がったバントにマシソンが焦り、一塁へ悪送球。二塁から赤松が快足を飛ばして生還し、決勝点となった。

 「福井の最後の粘りが、攻撃を呼び込んだ。とにかくこの3連戦は投手で勝った。3試合で2失点でしょ? 采配のことはいいよ」

 タクトの根拠を語ることは避けたが、勝負どころを決めていた。硬直した試合が7回の鈴木誠の同点弾で動き、その裏を福井が粘った。腕を組んで見つめた戦況。見据えていた8回に動かしにいった。赤松、木村昇には事前に起用法を伝えていた。2点リードの9回にも攻めた。同点弾の鈴木誠に犠打。代打の代打や代走をつぎ込み、延長戦でもないのに、捕手白浜以外の野手を使い切った。

 「次の1点、次の1点。リスクはあるけどね。そういう展開だし、今までもこうしてきた。出さなくて悔いを残すなら、出し切る」

 グスマンの全力疾走適時三塁打に、丸の右前2点適時打と選手も踊り、8回、9回で一気に5点を奪った。これで巨人戦同一カード3連勝とし、借金を3まで減らした。東京ドームでの3連倒は05年以来、10年ぶり。だが指揮官は「いつ以来とか関係ない。今は1戦1戦」とにこりともしなかった。

 練習中、試合後問わず、選手と1対1の時間をつくる。技術的なことはあまり言わない。「最短ルートで成長してほしいじゃろ?」。心技の一致が成長を助ける。教えることではなく、導くことが仕事と言う。だから選手の活躍が何よりうれしい。「気温よりアツい試合をね」。11日からの本拠地6連戦を見つめ、バスに乗り込んだ。【池本泰尚】