日本ハム大谷翔平投手(21)が、今季自己最速の161キロをマークする快投で、両リーグ通じてトップ独走の13勝目を挙げた。西武戦に先発し1回2死三塁、中村に161キロ直球を2球投げ込み、最後は142キロのフォークで空振り三振に仕留めた。8回5安打無失点、10奪三振。自身も持つ球界最速タイ記録162キロにあと1キロと迫る剛腕で、花巻東の先輩でもある西武菊池にも投げ勝った。

 相手ベンチ前に、ウオーミングアップする故郷の先輩・西武菊池の姿が見えた。打席には先月1試合2発を食らった中村が入った。

 大谷 (意識は)ないと言っていたけど、マウンドに立ったら、いつもより先に点を与えたくないと思った。チームの4番には持ってる(力の)100%に近いボールじゃないと打ち取れない。まして初回は流れを左右する。1点もやらないつもりだった。

 1回2死三塁。相手の主砲をオール直球勝負で追い込むと、4、5球目に今季最速の161キロをマークした。最後は142キロのフォークで空振り三振。12球団トップの13勝目は、初回がポイントだった。今季8度目の2桁奪三振。18イニング連続無失点で、防御率を再び1点台まで下げた(1・98)。

 あの日のことは鮮明に覚えている。中学2年だった大谷が、花巻東の練習を見学に行った。ブルペンで投げていたのが、菊池だった。直後にセンバツ準優勝を果たすことになる剛腕左腕の投球に、少年は目を丸くした。「すごかったです」。あれから6年。でも、尊敬のまなざしは変わらない。「(対決を)楽しみにしてくれている人もたくさんいたと思う」。自分も、そのひとりだった。

 先輩の背中を追って花巻東に進学したときから、変わらない夢がある。「日本一」。首位ソフトバンクまでは9ゲーム差あるが、あきらめの感情はみじんもない。「ここまで来たら数字とかじゃない。明日から全部勝つつもりでやりたいです」。最後まで、突っ走る。【本間翼】