広島前田健太投手(27)が、快投でハーラートップに並ぶ12勝を挙げた。立ち上がりから快調に飛ばし凡打の山を築き、守備でも好フィールディングを見せた。テンポのいいリズムは好守備を呼ぶ。7回2死満塁では一、二塁間を抜けそうな打球を菊池の好捕に助けられた。7回4安打無失点。111球の熱投で試合の流れをつかんだ。

 「変な力みなく投げられた。今日はいい投球ができたと思う」。昨季の後半戦は2勝止まり。優勝争いをするチームに貢献できなかった。今季は8月8日から無傷の4連勝。勝ち負けが付かなかった2試合も7回を投げ、2失点以下に抑えた。「12勝という数字よりも、ここから大事なことは勝っていくこと」。自身のタイトルよりもチームの勝利を考える。

 苦しい状況に、投球だけでないメッセージも送っていた。シーズン中盤、失点が続いた若手中継ぎ陣に、赤と黒の2種類のTシャツをプレゼント。前面にてるてる坊主と虹のイラストが描かれ、ハワイのことわざ「NO RAIN NO RAINBOW」の文字がつづられていた。「雨が降らなければ、虹が出ない」。まさに今のチーム状態を表す言葉。この日はマウンドで、エースらしい投球でチームを引っ張った。

 3勝5敗で終えた長期遠征から本拠地で勝利。借金を4に戻した。緒方監督は「マエケンがエースらしい投球で0を並べてくれた」とたたえた。前田は言う。「プロである以上、だれも終わるまであきらめていない」。予定通り中4日で13日阪神戦に登板する。【前原淳】