ロッテ西野勇士投手(24)は、これまでにない感覚に襲われた。5-4の9回だった。「緊張して…。今年初めて吐きそうになりました。すごく大事な一戦と分かってましたし。1点差の緊迫した場面」。ブルペンで力水を一飲みし、仲間からグータッチで送り出された。

 西武の代打攻勢をねじ伏せた。渡辺を直球3つで攻めて二ゴロ。木村は一転変化球4つで追い込み、最後はアウトロー146キロで見逃し三振。簡単に2死を奪い、秋山を迎えた。「ホームランだけはダメ」と自らに言い聞かせた。今季ここまで5打数3安打の被打率6割。「得意意識はない。苦手なくらい」という西武プリンスドームでの防御率は4・50。嫌なデータがそろったが、200安打の節目を超えた好打者を2球で二ゴロに仕留めた。

 抑え転向2年目。昨季を超える32セーブ目を積み上げた。再び3位西武と2ゲーム差に詰め、CSへの望みをつないだ。「自己最多は分かっていたけど、自分のを超えただけ」と、記録はこだわらなかった。自らを「顔に出ないタイプ」と見る。ひそかに重圧をはねのけ、解放された笑顔で言った。「ここから先は点を取られたくない」。Aクラス奪回へ、決意を示した。【古川真弥】