西武が先発全員安打の13安打7得点でオリックスを下し、連敗を5で止めた。右足首の骨折で無念の離脱となった脇谷に代わり、2番三塁で先発した渡辺直人内野手(34)が決勝適時打を含む4安打の活躍。今季限りで引退する同学年の森本にバットでメッセージを届け、疲労からスタメンを外れた4番中村不在の打線に光明をもたらした。
ベテランの執念が中前で弾んだ。3回1死三塁。拳1つ分だけバットを短く持った渡辺が、オリックス近藤の外角スライダーに食らいついた。1軍復帰の金子侑が二塁打で出塁し、秋山が犠打でつないでくれた先制のチャンス。「絶対に打とうと思っていた」と固い決意で右方向へ振り抜いた。この一打から一挙の4得点。田辺監督も「ベテランがいい手本になってくれた」と最敬礼だった。
仲間のために打った。前日に骨折が判明した脇谷に続き、この日は主砲の中村までもが疲労からスタメンを外れた。CS進出に向けた正念場で、脇谷の2番と中村の三塁を託された。「中村は今までずっとチームを救ってくれたし、脇谷もそう。代わりにはなれないが、全員で穴を埋めていこうと試合前にチームで話し合ったんです」と、この一戦にかけていた。強い意志がバットに乗り移り、14年6月以来の4安打固め打ち。「みんなが1つになったから。その結果、僕がたまたま打てただけ」と、お立ち台で気恥ずかしそうに笑った。
戦友のためでもあった。同学年であり、DeNA、西武の2球団を共にした森本が今季限りでの引退を表明。試合前に、背番号0が仲間にあいさつをする姿は涙をこらえながら見た。「ひと言で表せないくらい、僕が尊敬している数少ない野球選手の1人。苦しい時にも一緒にやってきたし、寂しいです」。それだけに、グラウンドではより気持ちが入った。「ひちょりの分も頑張らないと」と自らに言い聞かせた。大目標のCS進出に向け、残りは7試合。仲間のために、全てを注ぎ込む。【松本岳志】



