巨人坂本勇人内野手(26)が、逆転優勝へ勢いをつける決勝2ランを放った。0-0の4回1死二塁、広島野村のシュートを左翼席に運ぶ技ありの12号。主将に就任した今季は打撃の状態が上がらず苦しみ、ヤクルト山田のバットを参考にするなど試行錯誤を繰り返してきた。負けられない一戦で得意の内角打ちが復活した。首位ヤクルトも勝って2ゲーム差は変わらずも、明日26日からは抜群の強さを誇る本拠地で直接対決を迎える。4連覇へ向け、いよいよ決戦だ。
驚いた表情で、打球の行方を追った。4回1死二塁。坂本は広島野村の内角低めシュートに、バットが自然に出た。内側からかち上げるように捉えると、打球は左翼席中段に飛び込んだ。「久しぶりにうまく反応できました。余計なことは考えず、必死に食らいついていった結果です」と、無心の一打を振り返った。
シーズンも佳境に入り、なりふり構わず調子を戻そうとした。8月中旬、トリプルスリーが決定的なヤクルト山田に「バット、ちょうだい」とおねだりした。自分のバットと比べ、約1・2センチ短いことに気がついた。「短い方がいいのかな」。これまでは、バットのグリップエンドに左手の小指をかけてバットを握った。「長いバットを短く持てば一緒かなと思うんです」と小指をかけずに握り、操作性のアップを狙った。
自分の打撃フォームも見返した。この日午前、東京ドームの一室で食い入るように打撃シーンの映像を見続けた。「修正することもあったけど、形をどうこう考えずにいこう」と、初心に戻って無心で打席に入ると決めた。バットを少し短めに持ち、来た球に集中した。だからこそ、久々に得意の内角球をさばけた。復活ののろしを上げた主将を、原監督も「今年は内角に対して本来の打撃ができていなかったが、非常にいい本塁打でした」と喜んだ。
さあ、決戦だ。4連勝と勢いに乗って、明日26日からヤクルトとの首位攻防戦を迎える。ヤクルトも同じく4連勝を飾り、ゲーム差は2のまま。だが、決戦の地は、11連勝中の本拠地・東京ドームだ。原監督は「全神経を傾ける。ドームでできる地の利を存分に使って暴れたい」と宣言。坂本も「強いチームですけど負けられない。2連勝して優勝に近づけるように。チャレンジャーの気持ちで」と力を込めた。逆転4連覇に向け、上げ潮のまま大勝負に挑む。【浜本卓也】
▼坂本が4回に先制2ラン。巨人の得点はこの2点だけで、坂本がチームの全得点をたたき出して勝ったのは4月22日広島戦、5月15日ヤクルト戦、6月4日オリックス戦に次いで4度目だ。これで坂本のV打点は今季17度目となり、セ・リーグでは畠山(ヤクルト)の18度に次いで2番目に多い。この日はマイコラスが10連勝したが、10勝のうち7月11日阪神戦、同20日阪神戦、8月18日阪神戦、9月24日広島戦と、坂本がV打を4度放ってマイコラスの連勝をアシストしている。
▼巨人は東京ドームで8月18日阪神戦から11連勝。巨人の本拠地球場での連勝記録には後楽園球場時代の83年4~6月にマークした15連勝があるが、東京ドームで11連勝は12年6~7月に並ぶタイ記録。12年は1分けを挟んでおり、引き分けなしの11連勝は初めて。



