天国で美酒を…。9月23日に急逝した阪神中村勝広GM(享年66)を悼む「お別れの会」が19日、甲子園球場でしめやかに営まれた。関係者約600人、ファン約1000人が参列。阪神ナインもユニホーム姿で別れを惜しんだ。投打の柱である藤浪晋太郎投手(21)キャプテン鳥谷敬内野手(34)は決意新たに、天国のGMに来季優勝をささげることを誓った。
半旗が風になびき、静かに揺れる。厳かな雰囲気の中、藤浪はセンター後方の大型ビジョンにそっと目を向けた。中村GMの足跡を振り返ったVTR。「勝負事は勝たなければいけません」。生前に残した言葉を胸に刻んだ。
藤浪 GMが、勝負事は勝たないといけないとおっしゃっていた。勝つことを徹底して、来シーズン戦っていきたいと思います。
中村GMが就任後、最初に任されたドラフトで1位指名した選手が他ならぬ藤浪だ。「自分のクジが当たった瞬間、和田監督の後ろで喜んでいただいている姿が…。とても光栄に思いました」。テーブルでガッツポーズしてもらった姿は今も脳裏に焼きついている。
GMの長男・中村大輔さんは謝辞の最中、在りし日の父をこう振り返った。「特に今年に関しては自分の野球人生の集大成とし、阪神で優勝したい。必ずや阪神を優勝させたいと、強い思いを私たちに口にしておりました」。タイガースの後輩として出来ることはひとつ。空の向こうへ、今度こそ吉報を届けなければならない。
鳥谷 GMであられるうちに優勝できれば良かったのですが…。来年自分たちが優勝して、GMの思いが達成できればと思います。
キャプテンはナインの総意を言葉に変えた。「大学の先輩でもありますし、タイガースの先輩としても、球界の先輩としても素晴らしい方。その方が亡くなられたのは残念に思います」。バックスクリーンから優しく笑いかける大先輩はもう、旅立った。「(亡くなられたのが)シーズン中でもありましたし、今も信じられない思いが大きいです」。悲しすぎる現実を必死で受け止め、16年に向けて優勝の誓いを立てた。
長男大輔さんは謝辞の最後、「来年以降の阪神タイガースの飛躍、父の悲願だった優勝を心より願っています」と締めくくった。胸に染み渡る言葉の数々を受け取り、ナインはおのおのが空の向こうに誓いを立てたことだろう。今、思いは1つ。来季こそ、11年ぶりのV奪回を。天国で美酒を浴びてもらうために。【佐井陽介】



