日本ハムの契約更改で、3年ぶりの保留者が出た。陽岱鋼外野手(28)が2日、札幌市内の球団事務所で交渉に臨み、今季2億円から4000万円程度(推定)の減俸提示を保留した。5月の試合で一塁にヘッドスライディングした際、左手舟状(しゅうじょう)骨を剥離骨折。約2カ月戦列を離れ、86試合出場にとどまった。プレー中のケガだが、日本ハムの査定には「公傷」という概念がなく、話し合いは平行線のまま終わった。

 高級スーツに身を包み、ヘアスタイルもバッチリ決めた陽岱鋼だったが、会見場でテレビカメラの前に座ることはなかった。交渉は決裂し、球団では12年の糸井(オリックス)以来3年ぶりの保留。「自分が思っていた評価ではなかった。正直びっくりもあった。…きつい」。取材も自ら切り上げ、タクシーへと乗り込んだ。

 13年オフに結んだ2年2億円の契約が、今季で終了。この日の提示額は、4000万円減となる、1億6000万円前後だったとみられる。だが、陽は「(減俸を)想定していなかった」。希望額とは大きな開きがあるようで、交渉の席では互いに主張をぶつけ合うこともなく、「1度ゆっくり考える」(陽)ことになった。

 争点は5月4日の楽天戦で負った左手首のケガ。一塁ベースにヘッドスライディングした際に負傷し、約2カ月、戦列を離れることになった。陽にとっては、懸命にプレーしていた中での出来事であり、その点を主張。一方、島田球団代表は「ウチは公傷とか、公傷じゃないとかはない。純粋に成績で評価しました」と説明する。

 日本ハムの査定は、明確なポイントシステムに「貢献度」などが加味されて算出される。球団側としては、出場86試合、打率2割5分9厘、7本塁打の成績では、減俸となるのは当然だった。チームの約束事として、一塁へ頭から滑り込むことを奨励していないという背景もあった。

 5日には母国・台湾でイベントに参加するため、まずは予定通り1度帰国することになる。陽は「また(日本に)帰ってきます」。再来日し、今月中旬に2度目の交渉を行うことになりそう。一昨年、昨年と2年間、保留者ゼロだった日本ハムの契約更改交渉。突如起こった波乱の決着は、不透明なままだ。【本間翼】

 ◆陽のケガVTR 5月4日楽天戦の6回、一塁にヘッドスライディングした際に左手舟状(しゅうじょう)骨を剥離骨折した。同5日に出場選手登録抹消。6月28日2軍交流戦の広島戦に「4番・中堅」で実戦復帰。1軍に復帰したのは7月3日楽天戦で「1番・中堅」で即スタメン出場だった。