【台中(台湾)=梶本長之】阪神掛布雅之2軍監督(60)が、愛弟子の来季飛躍を確信した。当地入りから一夜明け、陽川、横田らが参加する台湾ウインターリーグの日本-欧州連合チーム戦を視察。他球団の若手と競争する環境でもまれる2人に「安心しました」と目を細めた。過去にはヤクルト山田も飛躍のステップにした台湾修業。ブレークの予感が漂う。

 気温20度。雲ひとつなく、野球をやる上で最高の条件で行われたウインターリーグ欧州連合戦のグラウンドに、熱い視線が降り注がれていた。視察に訪れた掛布2軍監督は、奮闘する愛弟子たちをその目に焼き付けると、手を組みうなずきながら、満足げな表情で語りだした。

 掛布2軍監督 心配はないね陽川も横田も。すごくいい環境の中で野球が出来ている。安心しました。

 自ら足を運んだ異例のウインターリーグ視察。試合を見て感じ取ったのは高い競争の意識。「違うユニホームを着た同世代の人間が1つのチームで戦うというのは、阪神のファームでいる環境よりも刺激というのがあるんじゃないかな」。この環境が横田、陽川に大きくプラスになっていると話す。この日3打数1安打1盗塁と師匠の前できっちり結果を残した横田の意識の高さには思わず笑みがこぼれる。

 掛布2軍監督 藤本(2軍内野守備走塁コーチ)が(宿舎管理の)関係者に『素振りする場所はどこかあるんですか』と横田が聞いていたと言っていた。それを聞いただけで俺はもう大丈夫だと。食事後にはウエートに行ったりとかやってるようだし。継続する力があるということだよね。

 4打数1安打の陽川も、2軍指揮官が話す競争心を前面に押し出している。

 陽川 右バッターの同じタイプといえば(巨人)岡本になる。年下ですけどバッティングもいい。盗むところもあるし勉強にもなる。負けたくないと思ってやっています。

 2人がみせた強い競争の姿勢。それを確認したところで、あえてその先にあるもう1つの課題も口にした。

 掛布2軍監督 最終的には自分と闘うんだけどね。自分と闘うということがもう1歩先にある。自分と闘う、自分と向き合うということ。

 来季、金本監督から1軍戦力として認められなければ、始まらない。合格点を出しながらも、まだ求めるものは多い。台湾修業で流した汗が、若虎の財産になる。

 ◆台湾ウインターリーグ 正式名称はアジアウインターリーグ。台湾の「中華職業棒球大連盟」が運営母体となり12年に日本、台湾、ドミニカ共和国が参加し初開催。13年は韓国も参加。2年ぶり開催の今年は11月28日から12月17日まで。日本(阪神、巨人、DeNA、ヤクルト、中日、ソフトバンク)と韓国、台湾、台湾アマ、欧州連合の5チームが参加。阪神は12年に伊藤和、島本、中谷、一二三、13年には二神、歳内、一二三、緒方の各4人を派遣した。

 ◆台湾ウインターリーグで飛躍した選手 第1回の12年に参加したヤクルト山田は今季、トリプルスリーを達成しMVP受賞と大ブレーク。同行した捕手の中村も、今季ベストナインと優勝の立役者に。また13年のメンバー巨人立岡は、今季85試合にスタメン出場と、外野のレギュラーを獲得した。