若大将になる! 阪神藤浪晋太郎投手(21)が17日、大阪・堺市立浜寺石津小学校を訪れ、プロ野球選手会が連携したJFAこころのプロジェクト「夢の教室」に参加した。「夢先生」として教壇にも立ち、小学5年生の1クラスを相手に夢を持つ大切さを熱弁。授業後は自身の夢にビールかけを掲げ、来季11年ぶりのV奪回に向けて、若きリーダーとしてチームを鼓舞していくことを誓った。
白チョークで黒板に横線を引く。スタート地点には0、最終地点には21。藤浪先生は21歳までの人生を振り返る直前、「好き」と書いて丸で囲んだ。
「好きだから、苦しいことも耐えられる。友達が遊んでいる間も自主練習できるんです」
6時限目の55分間を使い、5年1組の生徒に夢を持つ大切さを訴えた。大阪泉北ボーイズ時代は全国大会に出られず、日本代表でも活躍できなかった。「自分を変えたくて」レベルの高い大阪桐蔭に入り、高校2年夏は決勝でサヨナラ負け。「藤浪は大事な試合に勝てない」。そんな評判が悔しくて練習に励み、高校3年時の春夏連覇からプロ入りという夢をかなえられた…。これまでの経験を熱弁後、自身の夢も明かした。
「小学校で言うのもあれですけど…、ビールかけです。日本一になってチームで祝えるように。自分が優勝に導けるように、というのが今一番近い夢ですね」
来季は4年目。すでに200イニング超えや19勝などの目標を公言している。年齢に甘えず、若大将として虎を引っ張る覚悟だ。
「パフォーマンスでもっとチームを鼓舞していける。年上の方に、まだまだ若いヤツに負けられないと思ってもらえるプレー、振る舞いをしたい。打たれた後とか、味方がミスした時のフォローとか、もっと細かいところができたらと思う」
14勝7敗、防御率2・40の今季は大黒柱らしかった。それでも改善点は多いという。チームの浮沈を背負い、その立ち振る舞いで雰囲気を変えられる「真のエース」へ。向上心はとどまるところを知らない。
授業中には「夢シート」に将来の夢を書いてもらった。菌類学者、助産師、パティシエ、お笑い芸人、漫画家…。驚いた。
「自分たちが小5の時は夢がない子もいたし、警察官とか消防士とか。女の子はケーキ屋とかお花屋さんだったのに。今の子はすごく具体的な夢を持って、何をしたらいいのかを考えていたので感心しました」
藤浪も同じ堺市の竹城台東小出身。地元の子供たちからパワーをもらい、優しく笑った。右肩炎症の影響でノースロー調整を続けるが、1月にはキャッチボールを再開予定。夢は実現できる-。まずは先生がお手本を見せる。【佐井陽介】
◆JFAこころのプロジェクト「夢の教室」 「子供たちの心身の成長に寄与したい」という趣旨で、日本サッカー協会(JFA)が06年に立ち上げた。日本代表、Jリーグ、なでしこリーグなどの現役、OBサッカー選手のほか、他種目のスポーツ選手も協力。「夢先生」として小学校に派遣されている。今秋には日本プロ野球選手会とも連携協定を結んだ。



