球児、ナイスリード!! 阪神藤川球児投手(35)が4日、宜野座のブルペンで正捕手候補の梅野隆太郎捕手(24)とキャンプで初めてコンビを組み、積極的に意思疎通を図った。梅野にサインを出すよう指示を出す。積極的に声を掛け、うなずく。身ぶり手ぶりで構える場所も示した。

 梅野が打者の外角に体を寄せ、ミットを置いたときだった。藤川は、さらに外へとリクエスト。コーナーギリギリに構えるよう、求めたという。わずかボール1個分が真骨頂だ。制球力に自信を持つからこそ中途半端な甘いゾーンに構えてほしくない。そんな一流投手の心理が表れていた。本番を見据えたシミュレーションに臨んだ梅野も言う。

 「真っすぐがすごく強いですね。浮いてくる真っすぐばかり。高めや低めに分けて投げていた。いろいろ学んでいきたいと思う」

 試合さながらのサインを用いたやりとりについて、藤川は「球種を口で言いたくないから。それだけですよ」とけむに巻いたが、35歳のベテランならではの言動だろう。11歳年下の若手を精力的に引っ張る姿を見ていた矢野作戦兼バッテリーコーチは「球児も捕手に分かってもらいたいし、育てたい気持ちがあるのだろう。こちらもすごく望んでいること」と代弁した。

 4年ぶりの古巣復帰は衝撃的な発進だ。1日に金本監督が「やっぱりモノが違う」とうなれば、ブルペンで60球投げた、この日も香田投手コーチが第1クールでもっとも目立った投手を問われ「球児の球は素晴らしい」と評価した。かつてダイエー工藤(現ソフトバンク監督)は若き城島とバッテリーを組み、英才教育で一流捕手に育て上げた。力量、リーダーシップ…。メジャー挑戦からの復活に向けて存在感を際立たせている。【酒井俊作】