福島出身の若手投手が、開幕1軍を目指して奮闘している。西武佐藤勇投手(21)は、14日に行われた紅白戦に先発し、4回2安打無失点と好投。西郷村出身の最速151キロ左腕は、開幕1軍入りへ前進した。
佐藤は必死だった。「実戦で結果を出すしかない。アピールすることだけを考えて投げた」。14日の紅白戦。3回以外は走者を出しながら、変化球を低めに集めて踏ん張った。直球の最速は141キロでも「前回のシート打撃は135キロくらいだったし、結果が出て良かった」。4回無失点でマウンドを降りた期待の左腕は、観客から大きな拍手を浴びた。
昨季まで1軍登板ゼロでも、今キャンプ初の紅白戦で先発に抜てきされた。気合十分で試合前にキャッチボールを行ったが、左手人さし指のマメがつぶれた。その影響もあり、初回先頭の秋山に投じた変化球が頭部付近へ抜けた。昨季シーズン歴代最多記録の216安打を放った先輩に「当たらなくて良かった。その後はガムシャラに投げた」。1球ごとにマウンドで「フーッ」と大きく息を吐き、侍ジャパンの炭谷が構えるミットを目がけて投げ続けた。
努力の成果も見せた。3回には、秋山からスライダーで空振り三振を奪った。「(菊池)雄星さんから教わって、ずっと練習してきた球」。プロ入り前から目標の存在に掲げ、オフの自主トレで弟子入りした同じ左腕から伝授されたボールだった。見守った田辺監督は「低めにコントールされていたね。次が楽しみだよ」と合格点を与えた。
オフの15日はキャンプの同部屋で、普段から仲の良い高橋光とサイクリングに出かけた。紅白戦では、7失点の高橋光に投げ勝ったが「全然、意識してなかったです(笑い)。課題の制球力を磨いて、ストライクゾーンで勝負できるようになりたい」。プロ入り前は143キロだった直球の最速は、151キロまで伸びた。体重も10キロ増えた。福島の希望の星が、宮城出身の岸、岩手出身の菊池と「みちのく3枚看板」を形成する日は近い。【鹿野雄太】
◆佐藤勇(さとう・いさむ)1994年(平6)9月18日、福島・西郷村生まれ。西郷二中から光南に進み、1年夏からベンチ入り。12年ドラフト5位で西武入団。182センチ、85キロ。



