巨人菅野智之投手(26)が28日、3年連続3度目となる開幕投手の座を決定的なものにした。ヤクルトとのオープン戦に先発。力強い直球と3年ぶりに解禁したワンシームで、5回3安打無失点に抑えた。ここまでの状態の良さに加え、3月25日の開幕戦で対戦する昨季セ・リーグ王者に圧倒的な投球を見せたことで、00年から7年連続で務めた上原浩治(現レッドソックス)以来となる3年連続の大役を、ほぼ確実にした。

 迷わず内角に行った。菅野は3回2死三塁、山田への初球にワンシームを選択した。食い込むように落ちていく球で芯を外し、遊ゴロに仕留めた。「絶対に内角のストレート系を待っていると思った。今までならスライダーで入ったりするかもしれない。でも内から落ちる感じでいきました」。昨季とは違う組み立てで、トリプルスリー男をたった1球で料理。投球の引き出しが増えたことを証明した。

 “天敵”相手に進化を見せつけ、開幕投手の座をほぼ手中に収めた。オフに指先強化に成功したことで、3年ぶりにワンシームを解禁した。内角に食い込むように落ち、引っかければカットボール気味にも変化する“新球”。昨季は4戦4敗と苦しめられたヤクルトとの開幕前哨戦だけに、手の内を隠したくなってもおかしくない。「いずれは分かること。せっかく投げるので包み隠さずしっかりやろうと思いました」と威風堂々と投げ込んでいった。

 相手の主砲にも、出し惜しみはしなかった。1回2死三塁で、バレンティンにカウント2-1から投じて空振りを奪った。内角を意識させてキレのあるスライダーで勝負、がこれまでの必勝パターン。捕手小林誠の要求もそうだったが、菅野はあえて首を振った。「あそこでスライダーを投げているようじゃ、この先はない。去年と同じ攻めをしていたらやられる」。ワンシームと同じ球速の148キロ外角直球で、空振り三振に切って取った。

 開幕投手について、高橋監督は「今、考え中です。本人とも話をしていないので」と、慎重に人選する考えだ。だが、菅野には変化を恐れず、歩みを止めない力強さがある。「年ごとに変わらないとやられる世界」と常にさらに上を目指す姿は、「一新」のスローガンを掲げて挑戦する今季の軸を任せるにふさわしい。

 菅野の次回登板は、3月5日の侍ジャパン台湾戦(ナゴヤドーム)で先発予定。オープン戦の登板はあと2度になりそうだが、「去年の開幕を投げた次の日から、来年も投げると思ってやってきています」と強い覚悟を持ち続けている。由伸巨人の幕開けのマウンドに、菅野が立つ。【浜本卓也】