今季初勝利を手にしても、ヤクルト松岡は悔しさを隠さなかった。「1点差で使ってもらえるのは中継ぎにとってうれしいこと。そこで打たれた。いいところを見せたい気持ちがあったのに」。1点を追う9回、4番手でマウンドに立った。先頭を四球で出し、味方の失策も絡んでDeNA乙坂に4点目の適時打を許した。直後にサヨナラ勝ちとなったが、もっと「頑張りたい」思いがあった。

 熊本・玉名市出身。地震被害の大きい南阿蘇村で大学4年間を過ごした。九州東海大(現東海大)の野球部寮は、16日に倒壊して2人が犠牲になった東海大学生アパートの向かいにあった。「毎日通っていた光景も全然違っていて、心苦しくて言葉にならなかった」。余震が続くと心配で眠れなかった。

 試合前、選手会長の川端らと入場ゲートに立ち、被災者支援の募金を呼びかけた。熊本出身と知って声を掛けてくれたファンもいた。「たくさんの方が募金してくれるのを見て、感動しちゃいましたね」。どうしても好投したかった。

 それでも勝ちは、勝ちだ、今季初のサヨナラ勝ちで3連勝。出番はまた来る。「被災した人たちの力になりたい。自分にプレッシャーをかけながら成績を残していきたい」。そう自分に課した。【鎌田良美】