プレーバック日刊スポーツ! 過去の9月16日付紙面を振り返ります。2003年の最終面(東京版)は阪神タイガースの18年ぶりセ・リーグ制覇当日の甲子園球場ドキュメントでした。
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<阪神3-2広島>◇2003年9月15日◇甲子園
声がかれても、疲れ果てても、この瞬間を星野監督、選手、そしてみんなと、何としても共有したかった-。甲子園球場ではスタンドの5万3000人と、はいれなくてもいいと周辺に集まった人々を含めた計7万人全員が、サヨナラ勝ち優勝決定まで2時間8分の空白をじっと待った。開門からセレモニー終了まで実に12時間3分。六甲おろしを歌いながら耐えた、長くつらい1日だったが、星野監督が中に舞った瞬間、ファンとチームは確かに一体となり、18年分の疲れは消えていた。
赤星と片岡のヒーローインタビューが終わっても、スタンドの5万3000人はだれ1人帰ろうとしなかった。ほぼ全員の視線がスコアボードの大型ビジョンに注がれる。約2時間遅い午後4時から始まった横浜-ヤクルト戦の中継映像。大差で横浜リードの展開に「ウォ〜」と、どよめきが起こった。
阪神が勝った場合、横浜スタジアムの模様を中継することは試合前から何度もアナウンスされていた。中継と同時に興奮したファンがグラウンドになだれこむことを恐れ、警備委員が土や芝生の上まで立ち並ぶ厳戒態勢を敷いた。しかし横浜大量リードに、ムードはなごやかとなった。
夢がやっと現実になりつつあった。誰もがその時間を大切にしたかった。興奮したファンがなだれ込むことを恐れ、警備員がグラウンド内に立ち厳戒態勢を敷いた。しかし、優勝モードにスタンドはたちまち和やかとなり、警備員も後退した。
こうなれば、持久戦だ。横浜の8回表までは、甲子園売店に食べ物や飲み物を買い求める列がの。その裏、選手たちが一塁側ベンチに姿を現し始めると、甲子園ではめったに起きないウエーブが。5万3000人がつくり出す「大津波」に、ベンチの選手も参加すると、波の振幅は一掃大きくなった。
ヤクルト敗戦「秒読み」の9回には、この日2度目のジェット風船が膨れ始めた。2死後に「あと1人」コール。そして阪神ナインがベンチから飛び出すと同時に、ジェット風船が舞った。「バンザイ!」。その時、球場は文字通り、揺れた。阪神甲子園駅の改札にいた人が「今、ドスン、いうたで」と、びっくりした。地鳴りがするほどの大絶叫だった。
そのパワーをつくり出したのは、スタンドのファンばかりではない。球場の外には16日の試合の場所とりをする人が並んでいた。さらに、慌てて電車に乗ってきた人が続々と詰め掛けた。そのうちの約1000人はユニホームを着せたヒヨコの縫いぐるみを身代わり胴上げした。スタンドでは涙まじりの声、声、声…この1週間、点滴を打ちながらチームと移動した私設応援団の元団長松林豊さん(77)は「また甲子園で胴上げを見られるとは…」と絶句。外では16日の開門待ちで並んでいた池田晃さん(35)が「星野監督、お願いやから、外で待ちながら戦ってたおれたちのために、16日も胴上げしてや」と笑った。
前回の優勝は神宮、日本一も西武球場。18年待たされたが、39年ぶりの甲子園V。選手が場内1周すると、この日無数に歌われた「六甲おろし」の大合唱が起きた。しかし、その声はこの日初めてのように元気よく響き渡った。
◆9月15日ドキュメント
7・56 一塁側アルプス自由席開門。混乱防止のため50人ずつに区切って入場。
8・15 兵庫県警のバスが甲子園に到着。球場周辺が厳戒態勢へ。
9・45 星野監督、選手らが甲子園に到着。
11・20 先発伊良部が練習終了。
14・03 試合開始。
14・40 3回表、広島シーツが先制2ラン。
16・00 甲子園で7回のジェット風船が舞った直後、横浜スタジアムで横浜-ヤクルト戦開始。
16・10 ヤクルトが初回、3点先行。
16・24 阪神久万オーナー甲子園到着。
16・29 ヤクルトが2回に1点を追加。
16・31 8回に片岡が同点ソロ。甲子園熱狂。
16・37 横浜が2回、同点に追いつく。
17・07 横浜が3回にウッズの2打席連続弾で勝ち越し。
17・18 阪神は同点で9回裏突入。ベンチに横浜逆転が伝えられる。
17・25 赤星サヨナラ打。
17・28 阪神勝利が横浜でも電光掲示。場内放送も。
17・37 横浜が4回、3点を追加する。
19・15 横浜スタジアムは横浜6点リードで8回裏に入り、星野監督、ナインが胴上げ準備のため、ロッカー室からベンチへ。ファンとビジョンでヤクルト戦を見守る。
19・33 ヤクルトが横浜に敗れ優勝決定。ベンチから選手、コーチ、チーム関係者が飛び出し、星野監督を胴上げ。スタンドから無数の紙テープ、紙吹雪が舞う。
19・39 星野優勝が優勝監督インタビュー。
19・50 ペナントを携え、場内1周。
19・59 優勝セレモニー終了。
20・49 選手がバスで甲子園から祝勝会場へ移動。
22・30 桧山の音頭でビールかけ開始。
22・44 広沢が「(日本シリーズを制し)もう1回ビールかけするぞ」と締め、ビールかけ終了。
※記録と表記は当時のもの



