最大級の誠意を伝えに行く。楽天星野仙一副会長(69)が1日、FA宣言した選手と球団が交渉に臨む場合には、自らテーブルに着く意向だと明かした。かねて調査を続けていた西武岸孝之投手(31)が、今日2日にも海外フリーエージェント(FA)権を行使する。球界屈指の交渉人が本気モードだ。

 闘将が動く。FA有資格者の手続きが始まった1日、楽天星野副会長が地元岡山の倉敷キャンプ初日を訪問した。グレーのジャケットに茶色のネクタイ姿。3年連続Bクラスの今季を悩ましげに振り返った直後、報道陣から「FA宣言した選手との交渉に出馬する可能性は?」と問われて目の色を変えた。

 星野副会長 俺が行かなきゃいかんやろう。どの選手でも、宣言した時には俺が行くよ。ちょうネクタイを着けていきます。

 最後は冗談交じりでも、交渉への本気度は格別だった。球界屈指の交渉人は、常に最大級の熱意を携えている。昨年11月の今江との交渉では「以前にテレビ番組で児童養護施設を訪問する姿を見て、涙をにじませたよ。そういう背中を若手に見せて学ばせたい。チームリーダーになってほしい」と懇願。人間性に着目して必要性を説き、見事に楽天へと迎え入れた経緯がある。今季、球団は西武岸らの動向を注視してきた。獲得候補選手が権利を行使するならば、2年連続でテーブルに着く準備がある。

 日本一に輝いた13年以来のAクラス入りに向けては、則本に次ぐ先発陣の補強が急務となっている。キャンプ初日の練習前。自ら円陣に加わり「3年連続のBクラス。この結果は本当に恥ずかしいと思う。こうなった理由を検証して、洗い流してほしい。執念でやれ」と強く訴えた。誰よりも今季の5位という成績に満足していない。来季に向け、監督、コーチ、選手ら、現場を支えるために自ら動いて態勢を整えていく。「キャンプは監督に任せるよ。俺にはドラフト、トレード、FAだとか、やることがたくさんあるから」。闘将は、今年も本気だ。【松本岳志】

 ◆星野副会長の口説きメモ 阪神監督時代には、01年片岡(日本ハム)02年金本(広島)ら大物選手を次々に獲得した。昨年に楽天の副会長に就任。楽天はFA交渉で08年の中村紀(中日)以来4連敗中だったが、自ら出馬し、ロッテ今江を口説き落とした。