日本ハムの18年版「勝利の方程式」の輪郭が、ようやく浮かんできた。巨人とのオープン戦(東京ドーム)の終盤は、シーズンを想定した格好のモデルケースとなった。2点リードで迎えた8回は新外国人のマイケル・トンキン投手(28=ツインズ)、9回は石川直也投手(21)が務めた。それぞれ無失点投球で新セットアッパー、新ストッパーの適性を示した。

 トンキンは危なげない内容を見せた。直球を軸にパワーで圧倒。18日西武戦に続いて3者凡退で切り抜けた。「ここ何試合か、真っすぐで攻めることが出来ている」と、手応え十分。オープン戦では4試合に登板し、いずれも出番は8回。昨季限りで退団したマーティンに代わる存在として、ほぼ当確と言っていい状況。「任されたところを頑張るだけさ」と、頼もしい。

 4年目の石川直も、持ち味を出して試合を締めくくった。オープン戦では初めて任された9回。1死一、二塁とピンチを背負ったが、辻をカーブで空振り三振。代打立岡は直球でバットを折り、一ゴロに抑えた。決め球フォークの制球に苦しみながら、昨オフに鍛錬したカーブを代用。真っすぐでも先頭打者から空振り三振を奪うなど、複数のウイニングショットがあるのも、守護神を任せられる根拠となる。今季初実戦の2月10日韓国KTとの練習試合から9回の適性を試されていたこともあり「ひっくり返されないことが一番大事」と、早くも心構えも出来ており、新守護神へ「もちろんです」と、力強い。

 増井が抜けた守護神争いは、抜け出しそうだった鍵谷が故障離脱。苦しい台所事情の中で、4万6297人という大観衆の前で石川直が適性を示した。栗山監督は「開幕までに方向性は決めたい」と、結論は先送り。ただ、大きな2つの穴が何とか開幕までに埋まりそうだ。【木下大輔】