ヤクルト・バレンティンが、恐竜化石が多く見つかる恐竜王国・福井の地に雄たけびを響かせた。1点差に迫った7回2死一、二塁、中日祖父江の直球を右中間最深部へぶちこんだ。本塁で待ち受ける仲間に飛び込むと、力いっぱいほえた。セ・リーグトップの11号逆転3ランを「ホームランを狙って打席に入った。完璧に打つことができた」と自画自賛で振り返った。

 ここ10試合で7発と絶好調。一気に量産態勢に突入したのには、勝利への渇望がある。昨季は96敗と惨敗。今季は「チームとして勝ちたい」と繰り返す。4月28日からの9連戦も、初日に小川監督に「休み、お願いします」とジョークを飛ばしながら、休養することなく出場を続けた。4月30日に最下位に転落。自分のバットで勝利を届けたいという欲求が「最強の肉食恐竜」といわれる「T-REX」のように相手投手をペロリと平らげさせている。

 状態がいいからこそ、強引なスイングも影を潜める。6-6の延長10回無死一塁、降雨で制球が定まらない鈴木博のボール球を見極め、四球を選んでチャンスを広げた。しかし、直後に雨が強まり、降雨コールドで引き分け。「しょうがない。いいスイングはできている。ミスショットが少なくなっている」と話し、引き揚げた。【浜本卓也】