ソフトバンク中村晃外野手(28)が、プロ11年目で自身初の社会貢献活動を始めることが10日、わかった。今季のレギュラーシーズン、ポストシーズンで打つ安打1本につき、1万円をNPO法人「ハッピーマンマ」に寄付する。乳がんの早期発見の啓発運動や乳がん患者と家族のケアなどに使われる。近日中にも球団から正式発表される。

 中村晃は以前から、社会貢献活動を行う希望を抱いていた。乳がん撲滅活動を選んだのは、昨年までソフトバンクの内野守備走塁コーチだったロッテ鳥越ヘッドコーチの思いを継いだからだ。

 鳥越コーチは08年に夫人を乳がんで亡くしている。まだ34歳の若さだった。当時、2軍の内野守備走塁コーチで中村晃は1年目だった。昨年7月のピンクリボン活動寄付金贈呈式に鳥越コーチと一緒に出席した中村晃は、鳥越夫人が亡くなった08年を思い起こし「本当にその時の選手はショックだったので、そういう人が1人でも少なくなるように自分も少しでも協力したい」と話している。

 鳥越夫人死去の翌09年からソフトバンクは乳がんの撲滅、検診の早期受診などを啓発する「ピンクリボン活動」を実施。今年も明日12日と13日の2日間「タカガールデー」として開催し、10年目となる今年も選手たちが啓発活動を行う。鳥越コーチは昨年の贈呈式で「(中村晃は)リアルに見てきた。これからは中村晃がこの活動の先頭に立ってやってくれる」と話していた。同コーチがロッテに移籍した今季、その思いを継ぎ、自身のバットでも寄付を行うことを決めた。

 今季、右太もも裏を痛め7試合欠場も、ここまで打率3割8厘で24安打をマーク。14年には176安打で最多安打を獲得した。安打職人が、悲劇をなくすため、安打を重ねていく。

 ◆ピンクリボン運動 80年代に米国で始まった乳がんの「早期発見、早期受診、早期治療」を訴える運動のこと。当時、国内女性の8人に1人が発症しており、状況を改善するために患者やその家族が行政、企業の賛同を得て活動を始めた。イベントを開催し、商品の収益を研究団体に寄付するなどの取り組みを開始。受診率が上がり、死亡率が下がる結果になった。日本では00年10月、乳がんの患者支援団体あけぼの会が東京タワーをピンク色にライトアップしたことをきっかけに、その活動が知られるようになった。