<ザ・ピンポイント>

 敗戦の中にも、ヤクルトが交流戦最高勝率の要因となった「しぶとさ」を発揮した。2-6の8回2死一、二塁、代打畠山が3番手マシソンから3号3ラン。その裏に坂本勇の10号2ランで突き放されたが、3回で0-6の展開から逆転かというところまで持っていった。小川監督は「1点差に追いついてチャンスはあるかと思ったけどあの本塁打で決まってしまった」と悔いた。

 攻撃陣が任務を忠実に遂行した。巨人菅野には試合前まで東京ドームで通算1勝9敗。宮本ヘッドコーチは「追い込まれたら1球でも多く粘ること」と難敵攻略の鍵を「球数」に設定し、開始から実行した。1回2死満塁で坂口が10球粘り、初回だけで32球。その後も球数を投げさせ、6回125球で菅野をベンチに座らせた。指揮官は「5回で100球を超えたし、2点しか取れなかったけど、菅野にダメージを与えたのが畠山の本塁打に関係したのかな」とうなずいた。

 ソフトバンクから今季新加入で初先発の山田大が誤算だった。安定感を欠き、1番坂本勇にストレートの四球を与えると、いきなり3失点。3回に味方の失策も絡んで6失点目を喫しKOされた。序盤の大量失点を追いかける展開になったが、攻撃陣は作戦を忠実に実行。快進撃を続けた交流戦に続き、いやらしい攻撃を愚直に仕掛ける燕軍団は侮れない。【浜本卓也】