広島新井貴浩内野手(41)が5日、マツダスタジアムで会見を開き、今季限りでの現役引退を発表した。阪神でも活躍した球界を代表するスラッガー。2年前にはリーグMVPにも輝いた。プロ20年目の区切りを迎え、惜しまれながらバットを置くことを決断。球団に申し入れを了承された。

球団初のリーグ3連覇を目指している今季は開幕前の左ふくらはぎ痛で出遅れた。ここまで49試合に出場し、打率2割2分2厘、4本塁打、20打点の成績を残している。スタメン出場の機会は減ったものの、勝負強さは健在。5月11日に1軍合流し、同23日の巨人戦(ひたちなか)では吉川光から今季1号を放った。大卒選手の20年連続本塁打は金本知憲、稲葉篤紀以来3人目となった。

7月以降は打席数が減り、安打も出ずに苦しんだ。「ちょっとしたズレはある。それは経験と、普段の練習で埋めないといけない。今は代打なんで」と役割を受け入れ、練習でも黙々とバットを振った。8月29日のヤクルト戦(神宮)では1カ月ぶりスタメン出場し、4号アーチを含む猛打賞。健在ぶりを示した。

チームは球団初のリーグ3連覇と日本一を目指し、優勝マジックを12にまで減らしてカウントダウンに入っている。新井も頼もしい後輩とともに、有終の美を飾るつもりだ。