ヤクルトが、2位の気骨を見せた。負ければ広島の優勝が決まる試合で、急きょ2度目の先発となった1年目の大下佑馬投手(26)がしぶとく試合を作った。2連勝で、貯金を今季最多の4に伸ばした。

先発を告げられたのは、前日23日の試合直前。腰の張りを訴え、先発を回避した小川からは「頑張ってくれ」と背中を押された。140キロ台後半の直球に加えスライダー、カーブなど多彩な変化球で相手を翻弄(ほんろう)。4回に3連打を許すも、最少失点で切り抜けた。4回2/3を被安打5の1失点。7月11日巨人戦以来の先発だったが「前回は構えてしまったが、今回は急で、あれこれ考えてもうまくいかないかなと。ロングリリーフの気持ちで投げました」と充実した表情だった。

手堅く勝利をつかんだ。5点差の9回も、守護神石山が登板。小川監督は「攻撃の内容もよかった。石山は1、2点差よりも、楽に投げられたのでは」と納得の表情。昨季からナゴヤドームで8連敗を喫していたが、14年以来の4連勝。鬼門を攻略し、CS進出へ勢いをつけた。【保坂恭子】