日本ハムから1位指名された金足農(秋田)吉田輝星投手(17)がドラフト会議から一夜明けた26日、同校で指名あいさつを受けた。

初対面した栗山英樹監督(57)からは、20年東京五輪での侍ジャパン入りを求められた。OBのダルビッシュ有投手(32=カブス)からは、ツイッターで背番号11の継承を“推薦”された。平成最後の怪物が、早くも日本ハム・カラーに染まった。

ドラフト会議から一夜明け、アメリカからエールが届いた。偉大なOBダルビッシュがツイッターで「背番号11番」を“推薦”した。伝え聞いた吉田は、はにかみながら謙遜するばかりだった。「ピッチャーで結構、11番を付けている人がいるので、すごいかっこいい背番号だなと思います」と笑顔で反応。ただ、13年から昨季までエンゼルス大谷も背負い、今季は空き番だった。由緒ある数字でもあり「なったら、すごいプレッシャーがかかると思います」と、照れ笑いを浮かべた。

栗山監督も、秋田に来てくれた。指名あいさつが行われた校長室で初対面した同監督の印象は「オーラがありました。緊張しました」。そんな硬さが、一言でほぐれた。いきなり「コウセイ」と、呼ばれた。中学以来の感覚だった。「高校に入ってからは名字で呼ばれていたので、うれしかったです」と、喜んだ。

栗山監督は清宮を「コウタロウ」、中田を「ショウ」、大谷を「ショウヘイ」など、ファーストネームで呼ぶことが多い。選手を大切に思い、真剣に向き合おうとする魂が、そう呼ばせる。“栗山流”を初対面で繰り出され、一気に心は日本ハム一色に染まった。

求められる将来像も、早速あうんの呼吸で一致した。栗山監督は、指名あいさつ後の会見で「近いところにオリンピックもあります。目指してほしい」と、20年の東京五輪で侍ジャパン入りを指令。続いて吉田も会見に登場し、同監督の指令を伝え聞くと「自分も日の丸を背負いたいと前から言っていたんですけど、そういうチャンスが一番近いのが東京五輪。しっかり目指していきたいです」と力強く答えた。

背番号について栗山監督は「メッセージ性を持たせる」と話した。球団はこれから背番号の選定に着手する予定という。

約1時間半の初対面で、OBも含めた日本ハムファミリーの印象は、不動のものとなった。吉田は言った。「すごい、いいチームだと思ったので、早く行ってみたい。すごく楽しみです」。【木下大輔】