DeNAのドラフト6位、BC新潟の知野直人内野手(19)が5日、ハードオフ新潟でDeNAの吉田孝司スカウト部長(72)進藤達哉編成部長(48)から指名のあいさつを受けた。DeNAは来年5月、ハードオフ新潟で主催試合が予定されている。知野はそこでの凱旋(がいせん)を目標に掲げた。

実感が湧いてきた。そしてターゲットが定まった。「5月にここ(ハードオフ新潟)に来られるようにしないと」。DeNAの吉田スカウト部長、進藤編成部長から指名あいさつを受けた知野は、真顔で言った。

BC新潟のホーム球場の1つでもあるハードオフ新潟で、DeNAはここ数年公式戦を開催している。慣れ親しんだグラウンドに立つために、来年はまず1軍入りというハードルを越えなければならない。あいさつを受け、覚悟ができた。

今季は打点45、本塁打7本。28盗塁はリーグ3位。数字以上に潜在能力の高さを買われた。吉田スカウト部長は「走攻守そろっている。右投げ右打ちの内野手がほしかった。1、2番を任せられるようになってほしい」。昨年から知野をマークしていた進藤編成部長は「昨年は、まだ粗さがあったが、今年は確実にプレーしていた」と指名理由を話した。

知野は「3つとも見ていただいていた。球界でも最高レベルの選手になりたい」と喜びを隠さなかった。あいさつの場でBCリーグから入団した選手は春季キャンプのランニングで2年連続最下位、と聞いた。「『お前は頑張れ』と言われました」と苦笑い。不名誉な記録を止めることも凱旋(がいせん)試合への1歩になる。

あいさつのお土産に、吉田スカウト部長用の球団IDをもらった。そこに両部長にサインを書いてもらった。そんな発奮材料を手にした。「エコスタ(ハードオフ新潟)に帰ってこなければ意味がないので」。精悍(せいかん)な顔を一層引き締めた。【斎藤慎一郎】