学生野球の指導者になるための「学生野球資格回復制度NPBプロ研修会」(第6回)が14日、都内に136人の出席者を集めて行われた。これはプロ野球経験者が、プロ・アマの歴史的背景を正確に認識すること、学生野球の指導者として必要な知識を学ぶことで、良好なプロ・アマの関係を継続するための研修会で、現役を引退したばかりの元プロ野球選手から、80歳を超えた大ベテランまでがおよそ5時間の講習に耳を傾けた。

DeNAでGMを務めた高田繁氏(73)、元阪神の藪恵壹氏(50)、元巨人の井端弘和氏(43)などが出席。会場は出席者でぎっしり埋まり、スーツ姿、ラフな服装とさまざまな出席者が、最後の小テストを控えていることもあって、緊張しながら熱心に聞き入っていた。

<1>学生野球とプロ野球の関係<2>新人獲得ルール<3>高校生の体の特性、ケガ予防<4>指導者の役割の4部構成で、スクリーンに映された内容を板書し、基本的な知識、歴史観を学んだ。

高田氏は研修会を終えると「私の年齢から職業として指導者になることはない。資格を持っていれば、いつでもアドバイスをすることができるからね」と言った。明大野球部OBとして、後進にプロで学んだ経験や技術を伝える考えだ。

また、藪氏は「息子が高1です。ええ、硬式野球部です。ピッチャーじゃないですよ。この資格があれば言葉を交わすことができますからね」とし、子供へのアドバイスを出席理由に上げた。

今回の出席者の中には、学生に指導できる資格が回復すれば、指導者転身をを視野に入れている人、年配学生にアドバイスしたい時に備えて資格を得たいと考える人が散見した。藪氏は「プロアマの問題の原因は、もっと早く知っておけば良かったです。現役の時から疑問でしたから」と、プロアマの経緯を学び、疑問が晴れた様子だった。

NPBプロ研修会後に提出した小テストをパスすると、15、16日と2日間にわたって行われる今度は学生野球側の研修会を受ける。なお、この日の小テストをパスできなかった場合は、翌朝8時までに再提出することになっている。

その後は来年2月上旬に行う予定の審査で結果を待つ。