大物感たっぷりに、ゆっくりと動きだした。日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が5日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを公開。多くの報道陣が待ちかまえる中、施設到着から4時間後にようやく練習を開始する超スロースタートで、飛躍の2年目へ、じっくりと汗を流した。

新年早々、持ち前のマイペースが全開だ。午前10時。父克幸氏(51)が運転する車に乗せられて鎌ケ谷の寮へと到着したものの、肝心の清宮が姿を見せない。ようやく練習を開始したのは午後2時過ぎ。実は寮内のテレビで、全国高校ラグビーの準決勝第1試合にくぎ付けになっていた。元ラガーマンの血が騒いだか。「見ちゃいますよね~。さすがに第2試合までは見られないと思って…」と照れ笑い。花園の熱戦でスタートへの活力を注入した。

大半の時間を入念なストレッチに費やし、ダッシュやキャッチボールで約1時間半の練習を打ち上げた。早実の大先輩、斎藤が声をかけても気づかない熱中ぶり。その“鈍感力”に右腕も「さすがっすね」と思わず感嘆したほどだ。

栗山監督は「幸太郎って、すごくおおらか。先輩たちが全員帽子をかぶってベンチに座っている中で、幸太郎だけ帽子をかぶっていない。何度怒られても、やっぱりかぶっていない」としながらも、熱中すると周りが見えなくなる姿を「なくしたくない」と言う。右手首を痛めて打撃練習再開は今月中になる見込みだが、怪物は焦らない。「わくわくしている。去年の経験をどう生かせるのか、すごく楽しみ」。無邪気に笑う19歳。マイペースの先に、成功の道が待っている。【山崎純一】