日本ハム加藤貴之投手(26)が急造フォームで、先発ローテーション争いを勝ち抜く。21日、楽天との練習試合(金武)に先発し、3回1安打無失点とアピールに成功した。「全球種でストライクが取れたし、思い切り投げられた」とテンポよく、ストライクを先行させて楽天打線を手玉に取った。球数も34球。直球は力強く、スライダーやフォークなどの変化球とのコンビネーションもさえて3奪三振。11日(日本時間12日)韓国NC戦(スコッツデール)での2回無安打無失点に続く好投だった。

米アリゾナでの思い切った決断が功を奏している。「キャンプイン1日前にフォームを変えてから、いい手応えが続いている」。オフの自主トレ中は、投球フォームがしっくりこない日々が続いていた。具体的に変えたポイントは、投球までの間。「ちょっとタイミングを遅くした」と右足を踏み出すまでの時間を少しだけ長くした。体重移動がスムーズとなり、球に今まで以上の力が宿った。

なりふり構わず、自分のポジションをつかみにいっている。昨季はキャリアワーストの5勝に終わった。「もう4年目。結果を残さないといけない。今までと立場も違う」と尻に火が付いている。上沢や金子、マルティネスの3本柱に続く先発争いは熾烈(しれつ)。左投手では堀や上原、宮台もライバル。右投手も有原、村田、杉浦、斎藤、ロドリゲス、バーベイトら候補はたくさんいる。「投手の層が厚いので出遅れないようにしたい。スキを見せたら…今年は特に、そう思っています」。自力で先発ローテを奪い取る。【木下大輔】