今度は野人弾!! 阪神江越大賀外野手がまたもや矢野燿大監督を驚かせた。4回だ。昨季8勝を挙げた岡田の外角146キロ速球を捉えるとライナーで右方向へ。二塁手が跳び上がりそうな低空で伸びる。失速せず、右中間芝生席に突き刺さった。指揮官も「あの弾丸ライナー、低い当たりでまさか入ると思わなかった」と絶句する1発だ。

17日の日本ハム戦は安打&二盗&ダイブ捕球と走攻守で魅せ、矢野監督が「ホンマ野人やな」と評した。この日は今季初弾のあと、6回にも中前へ。19年実戦5試合は17打数7安打の打率4割1分2厘。矢野監督は「本当にとんでもない身体能力と潜在能力を持っている選手。ああいうふうに打て出すと、守備もよくなって、すごい選手に変わっていける」と激賞。外野は激戦区だが、指揮官が「使いたくなるよね」と話すように活躍を続けている。

仰天のライナー弾を運んだが、今オフのテーマは「脱力」。江越は「練習から力まずに打てるようにやっている。そのまま出せました」と言う。昨季までは力みがちになり、右肩が下がり、バットのヘッドも遠回りする悪循環で打率も1割5分に低迷した。鋭く強く遠くに飛ばすために力を抜く。巨人田中スコアラーも「えぐかったです…」と驚く。未完の大砲が、また1歩前進した。【酒井俊作】