巨人が「令和」へつながる「ヤングジャイアンツ」の活躍で、平成最後の「伝統の一戦」を6連勝で締めた。

打線では7回に山本泰寛内野手(25)がリードを広げる適時三塁打。9回には重信慎之介外野手(26)が二盗と悪送球で三塁に進み、暴投で本塁に生還した。投手陣でも中川皓太投手(25)が1回を3者凡退。平成5、6年生まれの同世代が投打に躍動し、首位に浮上した。

   ◇   ◇   ◇

新時代へとつなぐ「ヤングG」が躍動した。4回無死一塁、岡本がランエンドヒットでゴロを転がし、遊撃の野選と悪送球で先制。1点リードの7回2死二塁では、山本が狙い通りに初球のスライダーを左中間にはじき返し、適時三塁打を放った。9回は重信が自慢の足で3点目。投手陣では新セットアッパーの中川が1回を無失点に抑えた。

「伝統」とは何か-。意味をそれぞれで受け止めた。イチローの引退会見をテレビで全部見た岡本は「先輩からつないでもらったもの。これからもつながないといけないもの。先輩からいただいたギフト。後輩にもっと大きなギフトとして、つながないといけない」と表現。中川は「いつまでも続いていくもの」と話した。

若手起用に踏み切った原監督は「若手が非常にいいところで戦ってくれてるのはありがたいこと」と評した。平成最後の「伝統の一戦」の白星に「まだ語るにそれほどの余裕がありません。今日の勝利というものが、そういう中で戦えたというね、(勝利を)収めることができたということは平成に感謝したいですね」と言葉を紡いだ。

平成では770試合行われ、巨人の435勝318敗17分けと大きく勝ち越した。主砲、コーチ、指揮官として駆け抜けた原監督は「非常に若いチームなので、しっかり手作り感を出しながら、次につなげていくことが大事だと思いますね」と言った。昭和、平成、令和。新時代も原監督を中心にベテラン、若手を融合し、伝統を継承する。【久保賢吾】